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向き不向き
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「どした?」
「なっちゃん。いきなりだけど俺。学校好き」
「お、おう?」
なっちゃんは戸惑いを浮かべながら、俺をなだめていた。
だいぶん涙は引っ込んだ。ないていたことには、今さっき気付いた。
「でも運動会だけは、嫌いだったんだ」
「なんで?」
「仲間だクラスメイトだって言ってたやつが急に、遠くにいってしまうみたいだから」
もう涙が出ないことを確認して、顔を上げたら、なっちゃんの困ったような笑顔が間近にあった。
「でも、そういうもんだろ。張り合わせることで団結を強めるんだから」
「わかってる、わかってるんだけどさ……ああいう風な張り合いは俺には向かないなって」
普段同じ教室にいるのに、違うチームにいる友達には、話しかけてはいけないのが、なんだかとても寂しかった。
「色組なんて俺は関係ないって言いたくなって、それが迷惑をかけるのにな」
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