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きっと、俺はとんでもなくずるいやつなんだろう。だめと言われたら、やりたくなるタイプでもある。
クラスメイトを指差して明日あいつは敵チームだと言われたって、どこか緊張感がなかったりしていた。
頑張ろうぜ、なんて言いにいってしまうくらいに。
「わかる。秋弥は本当そういう部分頑固だよ」
なっちゃんが、困ったように、でも愛しそうに言った。
彼が俺のために困った顔をしてるのを見るのも好きだ。
俺のために困っているんだと思ったらつい、わがままを言いたくなってしまう。
「俺のモットーは必要がないことでは戦わない、だから」
「なにそれ」
ははっ、と彼が笑った。俺も笑うふりをした。
うまく笑えないのは、やっぱり騙しているみたいで苦しい。
。
「逃げなんじゃないのか」と、いつか、言われたことがある。
「大事なものを選べないならみんな失うかもしれない」と。
色組になるのが嫌だったし、大事なものを選べなくて失うのなら大事なものは何も選ばなければいいと思っていた。
俺としては逃げたわけじゃなくて、明確な意思を持ったつもりだ。選ぶ必要も叶う意味もないから独りになるよていだった。
__そんな覚悟は甘い、とバチがあたったのだろうか。
「あー、あ。ずるい……」
「何が」
俺はなにも言わず弁当を全部平らげてから、こっそり呟いた。
意地でも選ばなきゃいけないような、この状況が。
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