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部活が終わって、家に帰ったら、今日は休みだった母さんに夕飯用の卵を頼まれてまた家を出た。
「あ」
なっちゃんが、家の前に居た。
「な、に」
「いや、あのさ……たのみがあるんだ」
聞いたとき、危険だと思った。
心の代わりを必要としている心は、逆に、他人に頼られたりすがりつかれる余裕を持つのはよくない。
「いいよ、何」
なのに、俺は断れなかった。
「いやー、助かったよ。俺じゃどうしようもなくて」
なっちゃんの頼みは、道端に居た知らんおっさんたちの喧嘩の仲裁。
年上が周りに多かったからか俺はよく、こういう役回りをさせられてきたからあまり苦でもない、はずだった。
「うん、よかったな」
上の空で返す。
「やっぱお前しかいないな。
礼に奢るよ」
「あぁ」
「あっ!秋弥とスズじゃん!」
ハンバーガーでも食べるかと、店に入った。
昔の知り合いの女子どもが、先にテーブルに存在していた。
「秋弥は相変わらず可愛いね」
おねーさま的なやつがにこにこしながら言ってきた。
「うっせーよ……」
「そういうとこ、好き」
「再会したのが運命だよね、私らと話さない」
「モテるね」
なっちゃんが囁いてくる。俺は余裕なんかなくて黙ってなっちゃんを睨んだ。
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