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物の気持ち
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布団に踞っていると、河辺から電話が来てそれには仕方なく出た。
「なにか」
「お前3日もいないってどういうこと」
「お前学校にいないときあるだろうに、人になにか言えるのか」
「それはそれなんだよ」
あ、そうですか。
「なんかあったのか。仕方なく、スズシロに聞いても
『知らないし俺も無視されてる』
と言われたから驚いた」
ぎゃあぎゃあとうるさいやつだな。
「ただの風邪だから」
嘘をついた。
これはたぶん、ただの風邪なんかじゃない。
話をしていると、フラッシュバックに見舞われる。熱のせいもあるかもしれない。
本当、なんのためにこいつが居るんだか。
いや。なぜ俺がいるんだろうか。上手く思考が纏まらない。
「前からきこうと思ってたけどお前は誰のものだ?」
河辺が言った。
俺の人生がプロットだったこと、なっちゃんにも物だと言われたことで壊れていた俺には耐えがたかった。
「俺は、物じゃない! ものじゃない、俺は、」
相手が通話を切るまで、ずっと繰り返してしまった。
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