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あとは……
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その後着替えて少しだるい身体に鞭を打ち、近い図書館に行った。
広いフロアに、ふかふかのマットがしいてある。
『ようこそ図書館へ』
の看板をくぐる。
こういうところあまり来ないから、緊張するな……
ふらふらとしながら奥へ奥へ歩き、俺は人気がない目的の本のある棚にたどり着く。熱が上がっていた。
毒の本や、人が死ぬとどうなるかという本を手にして近い椅子に座った。
中身は興味深いもので、俺はすぐ夢中になった。
中身はミステリーを読むときによく死体の気持ちになるのと似ていて、
こんな風に死んだら悲しいだろうなと想像して泣いてしまいそうになった。
借りると履歴でバレるのでなるべく記憶することを心がけて、どうしても無理そうなところは、メモ帳に記録した。
「隣、いいですか?」
ぼそっと、女の人みたいな声がして俺は顔をあげる。
いけない、つい集中してた。
「席、空いていなくて……」
その人は、白い肌に対比するような黒髪、引き締まったジーンズを履いていた。
華奢でなんだか、目が離せない、不思議な人。
俺の両脇の席を見たら確かに空いている。
「どうぞ」
やばい。死体の本ばかり読んでると思われる。
俺は慌てた。
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