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知らない事
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家の中に入ったユアは思わず感嘆の溜息を零した。
(広い………島の俺の家とは大違いだ…。)
物珍しそうにキョロキョロと周りを見回していると、後ろからクスクスと笑う声がした。
後ろを振り返ると、ベルとアルカナが少し嬉しそうに笑っていた。
ユアは赤面して2人を睨みつける。
「そんなに面白いかよ!」
恥ずかしさと照れ隠しで2人に食ってかかると、頭を撫でて否定された。
「違うんだよ、君はまだ11歳なのに随分大人びているから子供らしい所が見れて嬉しいんだよ。」
「あんた達は俺の事生意気だって思う?」
「ユアはユアで良いと思いますよ。無理していい子を演じられるより、思った事をはっきり言える意志の強いあなたの方が私は好きです。」
背中がむず痒くて、なんだか恥ずかしくてユアは下を向く。
すると、隙ありと言って突進してきたベルに抱き上げられる。
「なっ!離せ!!」
じたばた暴れるが、抱きしめられている腕はビクともしない。
ふわふわの金髪とあの青い瞳が間近にあり、ユアは思わずその髪に触れた。
「アルカナの髪はキレーな黒髪だけど、ベルの髪はブロンドなんだな。本物は初めて見た。ふわふわだ……」
もふもふと髪の毛を触っていると、アルカナにまた髪を撫でられた。
「あなたの髪も綺麗な黒ですね。ツヤツヤ。ふふっ。」
褒められ慣れていないユアはまたもや赤面して、目の前にあったブロンドに顔を埋めた。
「ははっ、可愛いな、ユア。」
ベルがずっと変えなかった表情を緩め、微笑んだ。
「丁度いいからこのまま部屋まで案内しよう。」
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