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知らない事
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衝動に突き動かされた様にアルカナに抱きついた。
その瞬間、ユアはしまったと思った。
自分の弱さと寂しさ、そこに共鳴する同じ種類の悲しみ。
警戒していたものをあっさり乗り越えて自分から相手の深淵を覗いてしまった。
もう、ユアは例え自分の命が危険にさらされても2人を切り捨てられない。
そして。
この2人は恐らく、自分を愛してくれるのだと思う。
自分と同じ様に、命を危険に晒したとしても自分を助けてくれる。
前者よりも、後者の方がユアには耐えがたかった。
(過ぎたことを考えても仕方ない……か…)
思い直して前向きに考えを運ぶ。
飢える心配はなく、寝る場所にも洋服にも困らない。
保護者と定義できる存在がいる。
いい事ばかりのはずだ。
(どうして……。)
ユアは顔を顰めた。
いい事ばかりの筈なのに、不安だった。
胸騒ぎはどうしても治まらなかった。
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