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新しい生活
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ベル宅で暮らし始めて数ヶ月経ったある日、ユアはずっと気になっていた事をアルカナに聞いてみた。
気になってはいたが何となく恥ずかしくて聞けなかった事。
「アルカナ、発情期って何?」
「ん?お兄さんから教えてもらわなかった?」
「うん……」
アルカナは少し驚いた顔をしたが、その後優しく微笑んでユアを自分の膝の上に座らせた。
「発情期って言うのは、Ω性だけにある、分かりやすく言えば繁殖衝動みたいなものかな。」
それからユアは何故自分がΩだと言うだけで嫌われていたのかなんとなくわかった。
1ヶ月に1度大体7日間続くそれは、激しい性的欲求と避けられない暴力的な快感に苛まれる日々の事だった。
発情期中、自らを確実に孕ませる事のできるαを誘うフェロモンを誰彼構わずばら撒く身体。
それに誘発されてαはヒートと呼ばれる突発的な発情を起こし、暴力的にΩを犯す……。
ここ数ヶ月で、ユアはベル以外のαは無駄に気位が高く、プライドもそれと同じくらい高いことを知った。
オルフェウス研究病院で働いているαの医者達に、Ωから作った血清等宛に出来ないだの、汚いだの、散々言われたのだ。
だからαはΩに幾ら本能的にとはいえ屈服させられ、強制的に性交に及んでしまうことを疎んでいるのだと。
急に、自らの身体が恐ろしいものの様に思えてきて、ユアはブルりと肩を震わせた。
「俺は、発情期いつ来るの?」
「怖い?」
素直に頷くと、アルカナはユアの髪を優しく撫でて言った。
「でも、番ができれば怖くないし、発情期はβやα同士では結べない特別な関係を結べるとても素敵なものでもあるんですよ。」
「つがい?」
「はい。発情期中のSEXで、αがΩの首の後ろを噛むと成立する関係の事で、一生に一度しか結べない関係。αは……何度でもできるけど、Ωにとってはたった1度の大切な経験。」
だから、番を作る時は自分を大切にしてくれる人を選びなさいとアルカナは念を押して言った。
「アルカナの番はベル?」
「そうですよ?ふふ、そうだ。そういえば癖でつけてしまっていたけれどこれはもう、私には要らないから……」
アルカナは自分の首に巻いてあった装飾品をとると、ユアの首に巻いた。
「望まない相手との番関係を避けるものです。これは、アクセサリーに寄せているから、プロテクターだと思われることも少ない。良かったらつけてくださいね。」
「うん!これ、可愛い……」
「ベルはセンスがいいでしょう?」
「流石、ベル……」
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