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夢
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ここのところ、ずっと同じ夢を見る。
見たことも無い濃いピンクの花の花畑。
湖の周りに群生するそれは永遠に続くかのように思えてくる。
その中でユアは1人ぽつんと立っている。
爽やかな風が頬をさすり、雲を運ぶ。
気持ちのいい場所だった。
暫くぼんやりとその景色に魅入っていると、湖に沿って誰かがこちらへ歩いてくる。
ゆっくりと、ゆったりと。
そして、“誰か”はユアの前まで来ると優しく微笑み、ユアの頭を撫でた。
『ユア、今夜も来てくれたんだな。』
声を聞いて、男だと分かる。
黒髪で長い髪のその人は、中性的な顔立ちで、しかしとても背が高かった。
そこでユアは自分が幼い頃に戻っていることに気づく。
「貴方は?」
『俺は、フィリア。』
「フィリア……兄さんと知り合い?」
『レイヤの事か?』
「うん。」
『ああ。レイヤの事は良く知っている。』
そう言うと、フィリアは悲しそうに笑う。
『あいつはまた、願いを叶えられなかったんだな……。』
「?」
『お前はまだ知らなくていいんだ。それより、子守唄を歌ってあげる。』
フィリアは知らない、けどとても懐かしい言葉の子守唄を歌ってくれる。
そして、ユアが眠りに落ちる寸前で、額にキスをする。
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