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図書館にて
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救急箱を持って帰ると、襲撃者は圧迫した傷を押さえて苦しそうに蹲っていた。
「自分で起き上がれるか?」
小さく首を横に振ったのを確認すると、ロランは傷に触れない様に気を配りながら血塗れの濡れた身体を抱き起こす。
侵入者が小さく呻く。
「……出血が止まってないな……医者に見せた方が良い。」
「そんな金が有ると思うか?それに、あまり周りに存在を知られる訳には行かないんだ……」
深刻な表情にロランは溜息をつくと、圧迫の布を外し、なれた手順で傷を消毒した。
「そんなに医者が嫌なら、医者の卵が傷を縫ってやる。麻酔はねぇから痛くても我慢しろよ。」
「医者の卵?まさか、あんたが縫うのか?」
「医者に行くのは嫌なんだろう?これでも数年後には俺は立派な医者だ。」
それも嫌なら今すぐ医者に連れて行くとロランが脅すと、少年は怖々と言った様子で力を抜いた。
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