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図書館にて
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「ユア、起きれそうか?飯食っとけ。」
「ん……」
先程までの年の割に老齢した表情が嘘の様に、幼い寝顔。
安眠を妨害したくはないと思いながらも、少しでも早く身体を治すために必要な栄養をとらせる必要がある。
「ユア、」
「スープ?」
「ああ。コーンポタージュ。好きか?」
「好き。」
好きなら良かったと、ロランはできるだけ優しく微笑んでユアを抱き起こし、スプーンでポタージュを与えた。
ちょうど、ユアが全てのポタージュを飲み終わった頃、図書館のドアがノックされる。
「来たか……」
「来たって……ああ、あんた、俺の事を誰かに話したのか……」
失望と絶望の色を顔に浮かべるユアにロランは表情を変えずに言う。
「落ち着け。俺の父親だ。彼は信頼できる人だし、地上とも交流がある。お前の力になれるかもしれねぇ。」
カナタがΩ用の抑制剤も持ってきている事も告げると彼は驚いて目を広げたあと、自嘲的に脱力した。
「どうせ、今俺はあんたを信じるしかないんだ。それなら、信じたあんたに従う。」
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