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図書館にて
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「なあ、ユア、君の血液型は本当にO型か?第2性もΩで間違いないんだよな?」
「はい、確定なはずです。」
輸血をして数分、ユアは激しい吐き気に襲われて、戻してしまった。
万が一、血液型に間違いがあった時の為に行われた採血の再検査の結果でも、特に間違いは検出されていない。
「変だな……キマイラは確かに、純種のニンゲンと違って異なる血液型を持つ者の血を体内に入れても凝固反応は起こさないが、もっと顕著に体調が悪くなる。ユアのように一度吐き戻しただけでどうにかはならないはずなんだが……。」
カナタが顎に手を当てて考える姿勢をとる。
「まぁ、解毒をしておいたおかげで、ユアの治癒力が回復していたのが不幸中の幸いだ。」
ロランが無表情を少しだけ緩めた。
外界とは違い、ここ、ハイドラではユアのように毒を使われる者はほとんどいない。
しかし、アルコールに耐性のないものが許容量を超える量の酒を飲んで治癒力が低下する等の類似した症状の患者が時たまいる。
そういう者達は大体、身体に回りすぎたアルコールを抜けば治癒力が回復する。
結果的に機転を効かせて同様の応急処置を施したロランの行動が幸をそうすることになった。
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