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お家へ
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「へぇ、地上にいるみたいだ。」
驚いた。
植物園には多種多様な植物があり、そこで日々の食卓に並ぶ野菜まで栽培されている。
「面白いな。畑の役割まで果たしているのか。」
「ああ。ここともう1つの野菜専用の植物園でハイドラの市場に並ぶ野菜のほとんどが造られてる。」
広い館内には高い木が生え、蔦が絡まり、そして見たことの無い植物が群生していた。
そこに見覚えのある花が咲いていた。
(これは……)
夢の中でフィリアとあっていた場所に咲いていた花。
「この花……」
「あぁ、その花はルピナス。」
そうだ、確かそんな名前だった。
この花を見ると懐かしいような、寂しいようなよく分からない気持ちになる。
自分が自分では無くなるようで少し怖い感覚。
「ロラン、ありがとう。図書館にも、連れて行ってくれるか?」
「植物園はもういいのか?」
「うん。ちょっと昔のこと思い出して……」
ユアはロランに嘘をついた。
不安と恐怖に蓋をするために。
そうしなければ、これから始まる戦いの日々で1人で立っていられなくなる気がした。
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