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中央政府より
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「例の被検体はどうなった?」
「申し訳ございません、海に逃げ込まれ、見失いました。」
「特殊部隊の精鋭相手にか?」
「はい。その少年、どこかで訓練を受けていたようで相当武器の扱いに慣れていたようです。」
「ほう。」
大きな戦艦の最上階に位置する司令室。
その最も高い位置に座る男。
黒髪に黒い瞳。
見るからにαタイプであろうガタイの良い体躯に美しい顔立ち。
凛と通る声。
「海に逃れたということであれば行き先は治外法権であるあそこしかあるまい。」
「ハイドラですか?」
「そうだ。オルフェウス研究所との繋がりもある。あそこの医院長の養子であれば、ハイドラに入ることも可能だ。」
「それでは直ぐにでも次の停泊先を調べて待ち伏せ致しましょう。」
「分かっているとは思うが、無駄な死人は出すな。」
「はっ。」
報告をしに来た部下が下がると、男はため息を吐いた。
(万能の血液……の持ち主。もしかしなくても始祖の末裔であろうな。)
「難儀な子だ。亡霊に囚われて後世生きることになるとは始祖も思わなかっただろうに。」
中央政府総司令部総帥、その男の名はタカオミ。
タカオミは暫くの間瞳を閉じて少年の境遇を哀れんだ。
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