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中央政府より
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「あいつ、ハイドラの停泊先を予測すると言っていたが少年がハイドラに着いた日から考えて次の停泊は3ヶ月後。それまでにどうやって見つけるんだ?忠誠心が強いのも考えものだ。」
タカオミはその口元を歪めると、自ら他の船を感知するためのレーダーの前へ行き、それをのぞき込んだ。
3ヶ月も待たなくてもハイドラにはたどり着ける。
乗船するのは3ヶ月後になるが、それまでに発見してしまわなければ停泊先を予測する以前の問題だ。
キマイラには感受性の強いものが偶に個体の中に現れる。
それは過去からの連鎖だったり、精神的な結び付きだったり、はたまた共感覚的な類の物であったりと様々だ。
総帥になるものにはある能力が求められる。
種を途絶えさせずにいつかまた人類を繁栄させるために。
α種であることや次の王を残す為の生殖能力もその1つだ。
そしてもう1つ。
それは精神感応、所謂テレパシー。
絶対の王に必要な能力で、その存在を知るものは代々の総帥だけ。
血族に必ずしも現れるという訳では無いが、血族中に現れることが多い。
次の総帥になる子供が産まれるとその代の総帥にはその事がテレパシーで分かるため、血族であってもなくても連れてきて自らの元で育てる。
不思議な事に、一定周期でテレパシーを使える赤子は産まれて来る。
そしてタカオミもその中の1人だった。
だからタカオミにはハイドラの場所が分かる。
同じように過去からの連鎖をその身体に宿す者がハイドラにいる。
そう、ハイドラには始祖の血を引く者がいるのだから。
始祖と中央政府総帥、その間にも過去から続く連鎖が存在すのだ。
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