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小さな幸せ
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「なるほどな、それで追われてたってわけ。」
「あんたは?俺を使えば億万長者も夢じゃない。」
「それがどうした?お前、あんま俺を甘くみんじゃねぇぞ?体も心も傷だらけで、なのに覚悟決めたみてぇな面してそんな自分を売るような事言うんじゃねぇ。」
本気で怒られて、ユアは緊張が溶けるのを感じた。
「よかった……あんたはそう言ってくれる気がしてた。」
止まっていた涙が再びこぼれ落ちる。
「ま、母さんに投与する用にこの血液だけは貰っとくけどな!というか、俺に驚かせる間を与えてくれよ……」
ロランがワシワシとユアの頭を撫でた。
「うぁ、ボサボサになる!!」
いきなり頭を掻き回され、驚いたせいで耳と尻尾が飛び出た。
「おお、ジャガーの耳ってこんなんなんだな。」
「この間も見ただろ?!」
「いや、お前死にそうだったし、発情期だったし?色々それどころじゃなかったろ。」
耳と尻尾の毛を逆立てて威嚇をするのを笑いながらロランは自分のも見せるからと言って宥めた。
「すごい……きれー」
「そうか?」
ユアは?ぱふぱふと布団を叩くロランの尻尾に触れた。
「もふもふ……」
「お前にも似たようなのついてるだろ。」
心底面白いといった体でロランはそれこそ子犬をあやす様に尻尾を振った。
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