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小さな幸せ
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「イヌ科はやっぱ耳尖ってるのな。」
「そうだな。ネコ科は気持ち丸いか?あんま変わらない気もするけど。」
ユアはロランの尻尾に抱きつきながら耳に手を伸ばす。
「おっと、子猫ちゃん、お前俺らが耳性感帯だってこと忘れてねぇか?あと、お前がさっきから抱きついてるやつの付け根もだめだぞ。」
「そうだった。」
そう言いながらも尻尾に抱きついたままのユアはまんま子猫の様だ。
だんだん眠気が戻って来たのか、ウトウトし始めている。
「おい、抱きついたまんま寝るつもりか?」
「だめ?」
「いや、ダメじゃないが……ってか、そんな風に言われて断れる男がいると思うか?」
スースー
「寝てるし……」
自分の尻尾に抱きついたまま幸せそうに眠っているユアの頭を撫でる。
一体今度はどんな夢を見ているのだろう。
いい夢だといいなと思う。
「なぁお前、魂の番って信じるか?」
毛並みのいい触り心地がするジャガーの耳に色気の混ざらない愛撫をする。
「俺は信じてる。」
ポツリと呟かれたその声は誰にも届くことはなかったが……。
彼自身の中で何かを確信させるには十分なものだった。
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