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小さな幸せ
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大切なものを包み込むようにしてユアを抱き上げ、そのままベッドに2人で入る。
尻尾はユアが抱きついているから引っ込めないでそのまま眠ることにする。
(あぁ、やっぱりとてもいい匂いだ……。)
発情フェロモンではない優しい香りのするフェロモン。
ロランの大好きな匂い。
(魂の番を俺は信じてる。だが……)
これが運命なのだとしたら、ユアにとってはどれほど酷な話だろうか。
何か事情があって家族から引き離され、発情期も1人で過ごさなければならない。
その上罪も犯して居ないのに追われる身。
なのに、やっとの思いで逃げてきた場所に居たαが魂の番だなんて言われたとして、自分だったらどう思うのだろう。
正直、運命なんかクソ喰らえと吐き捨てるに決まってる。
出会ってまださほど時間は経っていないが、この気持ちの正体を自分は知ってしまった。
でも、ユアが落ち着いてもっと距離が縮まるまではこの気持ちは言わないでおこう。
ロランはそう思って生まれた気持ちを大切にする様に微笑んだ。
しかし、この後、この判断を後悔する事になる。
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