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事実
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ごめんね、ユア、僕、医学の事になるとどうしても熱くなっちゃって……。」
「大丈夫です。俺の(育ての)親も医者だったので。」
「そう、その事なんだ。」
「へ?」
「僕が行ったのはオルフェウス研究病院、君のお父さんとお母さんが居るところだ。」
ユアの身体に緊張が走る。
何故カナタは自分の親がオルフェウス研究所にいることを知っているのだろう。
「君が図書館でロランと会えたのは偶然だった。そして、ベルから僕の所に連絡が入ったそのタイミングも良かった。」
奇跡だと思ったよ。
そうカナタは言った。
「以前お世話になった人達にこれで恩を返せる。僕は貰った分を返す。そのために君に優しくする。だから君は僕達に遠慮する事もないし、申し訳なく思う必要もない。」
自分は大人から見たらわかりやすいのだろうか。
ベルやアルカナの時もそうだったが………。
少し動揺したのと同時に、彼の事をとても優しい人なのだなと思った。
カナタはいい意味で大人なのだなと実感する。
「俺は……割とやりたい放題やっているし、我慢してなんかいません。むしろこれからも迷惑かけることの方が多いと思います。」
ユアはぶっきらぼうにそう言った。
未来の事を指す言い方は彼にとっての精一杯の甘えの表現だ。
大人にもベルやアルカナの他に、まだちゃんとした心を持っている大人がいる。
その事がユアは何故か嬉しかった。
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