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嘆息
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洗面所から出て、スマホを片手にドカッとベッドの上に座り込む。
『今日元気なかったけどどした?』
それだけ打ち込み、新太のLIMEに送った。
返信が来るまでじっと待っていたが、数分後、とうとうピロンッと自身のスマホの着信が鳴った。
慌てて開いて確認する。
『別に何でもない』
続けて、
『京介には関係ない』
素っ気ない文面で、それらは綴られていた。
関係無い?関係ないってどういう事だよ。
突き放されたような言い様に、沸々と怒りが湧いてくる。
思わず、文字を打つ指が動く。
『関係なくない』
『関係ないじゃん』
『悩んだら相談してっていつも言ってる』
『相談するまでもない』
『強情なのもいい加減にしろよ』
思い浮かんだ事をそのまま言葉にする。
打ち終わり、送信する直前にはっとする。
こんな言い方したら傷付くだろ。
しかし遅く、メッセージは彼に向けて送信された。
消そうかと試みたが、それより早く既読が付く。
『ごめん』
しばらくの沈黙の後、その3文字だけが画面に表示された。
「...あ」
ベッドの上で1人、後悔しながら声を漏らす。
傷付けてしまった。
昔から彼は、こういう言葉に滅法弱かった筈だ。
何度も謝ろうと画面に指を走らせたが、文字を打ち込む度にそれを消してしまう。
それから、彼から返信が来る事も、俺から送る事も無かった。
明日、ちゃんと謝ろう。
深い溜息をつきながら、ベッドから立ち上がる。
今日はさっさとやる事やって寝てしまおう。
そう思い、再び洗面所へと向かった。
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