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Vivre dans la révolution~革命に生きて
欲しいものを
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数日後。
ディディエは身体中の疼きを感じながら、ルイの部屋に向かった。
しかし、ルイの部屋は抜け殻となっている・・・
「・・・サン=ジュスト先生・・・?」
「あんた、知らないのかい?サン=ジュストさん、パリに引っ越したよ。なんでも、ジャコバン党に入党するんだとか。彼は切れ者だからね。アンリエット、というお嬢さんとの結婚も近いんじゃないのか?」
ディディエは部屋の管理人をやっている年配の女性からルイの引っ越しを聞かされた・・
翌日、カトリック・オラトリオ学校内。
「サン=ジュスト先生の個人授業、打ち切りになって正解だ。あの先生、本当に怖い先生で有名だよ?これ以上、深くかかわると、ぼろ雑巾のように捨てられるがオチだ」
ギョームはそんなディディエを疑っていたよう。個人授業の内容を感づかれていたよう。
何かの間違いであってほしいのだけど・・・
「名声、生涯の伴侶となる女性も捕まえることができるなんて幸せそのものだよ」
数学教師のピエールだった。
人間は望むものを手に入れることは可能。ただ、飽きてくれば、すぐさま、捨てる動物と言っていいだろう・・・
ルイは欲しいものはどんな手段を駆使しても手に入れている。無論、手段は択ばない。
手に入れることができ、飽きが来れば簡単に捨てる、というタイプと言っていいだろう。
ディディエは受け入れられない現実に呆然としていた。
勉学に身が入らない。
「メンディー君。少し、成績が落ち込んでいるようだけれど」
「すみません・・・」
担任のメクセスはディディエに注意喚起をしていた。これはまずい・・・
得意科目も落ち込みがち。落第点までは至っていないが。
忘れよう・・・ルイのことは・・・
「ディディエ・・・?」
ピエールはそんなディディエを心配している面持ちでいる。
ディディエはルイを記憶から消え去るようにしておきたい・・・
これからは・・・大学進学に向けて、挽回をしなければいけない・・・
「医学部進学は断念だ。それなら、僕は法律家として生きていこう」
しかし、2年後・・・二人は皮肉な再会。そして、後々、政敵同士になることなど、知る由もなかった。
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