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Vivre dans la révolution~革命に生きて
三部会
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1780年、フランスでは45億リーブル(通貨)にも及ぶ財政赤字が大きな問題になっていた。
赤字に膨らんだ主な原因は、ルイ14世時代以来続いた対外戦争の出費、宮廷の浪費、ルイ15世時代のバブル崩壊など、先代、先々代からの累積債務がかさんでいた。ルイ16世も改革をしながらも、アメリカの独立戦争への援助もしなければいけなかった。
なんとか現状打破をするべく、銀行家のジャック・ネッケルを財務長官に任命した。
だけど、取り巻く現実はとても厳しい。
それに加え、当時フランスは歴史的な小麦の不作に見舞われ、パンの価格が高騰。市民の怒りは最高潮に達していた・・・
******
1788年・ヴェルサイユ宮殿
「今年の赤字額は1億2600万円リーブルです」
ジャン=フランソワとクレリーが言う。
「そんなにひどいのか・・・?それなら税金を増やす・・・」
ルイ16世は言う。
「それは最早、無理です。平民はぎりぎりの生活を今でもしています」
ジャン=フランソワは頭を抱える。
「国王陛下。ネッケルを財務長官に戻したほうが良いと思います」
「ネッケルか・・・一度、改革に失敗しているが・・・」
「それでも、ネッケルは貴族からも税金を徴収していますから、平民たちからの信頼はとても厚いです」
翌日、ジャン=フランソワはネッケルと面会をした。
「ジャン=フランソワ。国王陛下と面会させてもらいたいのだが」
ヴェルサイユ宮殿に入ったネッケル。
「国王陛下、任務に入るには条件がございます」
「聞こう」
「今の状態では、フランスは到底、立て直しできかねます。三部会を開いていただきたいのですが」
「三部会?」
「すべての身分と力を合わせれば、きっと、フランスは立て直せると思います」
******
同年、フランスの三つの身分。
第一身分・聖職者。第二身分・貴族。第三身分・平民(商人、自由業、専門職、農民)。
ディディエの家は第三身分になる。
翌1789年5月、三身分の代表が集まることとなった。これは、175年ぶり。
最早、フランスは破綻寸前。
「一刻の猶予すらない。急いで、財政の改革を行わなければいけない」
******
作者yunaより。
いよいよ、歴史は動こうとしています。
長年のフランスの財政難。ついに破綻の序章がはじまります。
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