アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
Vivre dans la révolution~革命に生きて
ジャコバン党の台頭
-
フランスの市民社会はアンシャン=レジーム(旧制度)という身分制社会だった。
絶対君主を初めとする僧侶(聖職者)を第一身分、貴族を第二身分、そして平民(農民・市民)を第三身分と呼び、第一身分と第二身分を総称して特権身分と呼ばれていた。まさに、ピラミッド的社会ともいえよう。
「ルイ・オーギュスト・カペー(ルイ16世)の処遇なんだが・・・」
マクシミリアン・ロベスピエール、ジョルジュ・クートン、ルイ・アントワーヌ・レオン・ド・サン=ジュストたちジャコバン党。
ジョルジュ・オーギュスト・クートン(Georges Auguste Couthon 1755.12.22-1794.7.28)は、政治家、弁護士としてかつて、活動していた。第二の「ロベスピエール」と言わしめていたほど。
幼少期の重度のリウマチが原因で車椅子生活を余儀なされている。
しかし、貧しい国民たちの心強い味方。無料での弁護相談も承っていた。
「息子が名ばかりの修道士から性的関係を強要されました。拒否しようとしたら、家族を路頭に迷わす、と脅迫されました」
立場の弱い庶民から弁護相談があった。
ディディエに車椅子を押してもらいながら、法廷に立って、少年の弁護を受け持った。
「ムッシュ・クートン。幸運を祈っています」
「メルシー、ディディエ」
クートンは真実を突き付ける。決して、嘘偽りはない。ディディエはそう信じている。
無事に裁判に勝ったものの、待ち受けていたのは、容赦ない村八分。
「納得いかないよ!」
ディディエたちは怒り心頭だ。
どんな間違ったことでも、理不尽なことがあっても、下手に動こうものなら、聖職者たちを敵に回しかねない。
********
たまたま、ティエリがジャコバンクラブへ用事があって出かけていたとき。
ティエリはパリ大学医学部に首席入学・首席卒業をして、内科医となった。
下半身不随のクートンのため、診療を施していた。
「クートンさん。お身体、お拭きしましょう」
「ウイ、メルシー」
ティエリはお湯を沸かしていた。
その間にクートンの身体を丁寧に拭いている。
「足湯しましょう。身体を冷やしては、良い仕事できませんよ」
「ああ・・・済まない・・・」
ティエリはクートンの身体に聴診器を当てる。
「顔色も良いですね。ただ、無理はなさらずに」
ティエリはジャコバンクラブを後にした。
丁度、ルイとすれ違う。
「あれ?誰かに似てる・・・?」
ルイはティエリの顔をじぃっと見つめる。
「・・・ルイ・・・?何・・・?」
ティエリもディディエと同じカトリックオラトリオ修道会付属学校の卒業生。ルイの一年先輩であった。
「あ、いえ・・・失礼いたしました」
ルイは会釈して、ティエリのもとを去っていく。そして、部屋に入っていく。
「サン=ジュスト君、メンディー先生とは知り合いなのか?」
「・・・いや・・・」
1792年9月、国民国会の代議士に選ばれ、どこの党に属するか、かなり、戸惑っていた。
無所属にするか・・・そんなとき、貧しいものの味方であるジャコバン党に入らないか、とルイから誘われた。
クートンは迷った末、ジャコバン党に入党した。
丁度、クートンは、王政に嫌悪感を抱いていたところ。当然、ブルボン王朝に対して、虫唾が走るように。
「ムッシュ・クートン、同じ気持ちです。ルイ・オーギュスト・カペーのことに関しては、同情の余地ありませんよ」
ルイは辛辣に言い放った。
「サン=ジュスト君。わたしも同じ気持ちだ」
クートンとルイはすぐ、意気投合した。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
24 / 71