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Vivre dans la révolution~革命に生きて
嫌な予感がする
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タンプル塔に移された国王一家。そして、程なくして、ルイ16世は別の部屋に移されることになった。
「あれ?国王様は?」
ディディエは国王一家を訪問していた。元気づけるため。
「ああ、ルイ・オーギュストはもう国王じゃない。おまえ、知らないのか?王政ははく奪されたんだ。ルイ・オーギュストには生憎だが、会えないさ」
「外出中なんでしょうか?」
「そんなわけがないだろう」
冷ややかにディディエに言い放つ男は・・・
ジャック・ルネ・エベール(Jacques René Hébert.1757.11.15 ~1794.3.24.)。ジャコバン党内コルドリエ派のリーダー格。ジャーナリストで政治運動家。その傍らで、国王一家の監視役も務めている。のちの、ルイ17世への虐待・洗脳の張本人となっていく。
「ありがとうございます、エベールさん・・・」
「おい、待てよ?」
エベールはディディエに酷薄な声で引き留めようとする。さらにエベールは続ける。
「ディディエ?中々、可愛い顔しているじゃないか?」
嫌らしい目つきをしながら、エベールはディディエの顎を乱暴につかんだ。
華奢な腕を容赦なく掴み、壁に押し当てる。そして、舌先で耳たぶを舐めようと仕掛けてきた。
「ぞくぞくするな。俺好みだ・・・おまえは色が白い・・・女性でも違和感ないだろうな・・・貞操までは保証できかねるな・・・」
「おい、大人しく上着を脱ぎなよ?」
徴兵の一人がディディエに容赦なく迫る。
上着を剥ぎ取り、シャツを乱そうとしていた。
「馬鹿!抑えていろよ!」
「痛っ!こいつ、噛みつきやがった!」
エベールたちがひるんだ隙を見て、ディディエはその場を逃げ去った。
寒気が容赦なく襲った。嫌な予感がする。
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