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Vivre dans la révolution~革命に生きて
本当のルイは・・・
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山丘派(モンターニュ)の革命政府に、最早、ブレランクールのみならずフランス全土が屈している。
対立していたジロンド党への粛清もほぼ終わった。
ルイは里帰りをしていた。兎に角、息抜きがしたかった。
しかし、故郷を見るなり・・・
それも、白々しく感じるばかり。
故郷の湖を見たとき、ルイーズの姿を見た。そこには、かつての恋のライバルだったフランソワの姿。
かつて、ルイとルイーズは幼馴染で恋人同士。しかし、ルイーズの父親の大反対で引き離された。
その上、地元の議員に立候補するも、妨害されて早期辞任する羽目になった。
二人の姿を見ては、冷ややかに見守っている。
幼いとき、ルイは、ピエールとフランソワと一緒に全部脱ぎ去って、水遊びをしていた。
憎しみも悲しみもない、幸せな時間。
「どうして・・・ああなったんだろう・・・?」
*****
(ルイの回想)
7歳のフランソワは着ているのを脱ぎだし、湖へ入る。
「ルイ、ピエールも脱げよ?気持ちいいぞ!」
ルイとピエールは早速、全部脱ぎ去り、湖へと入っていく。
ルイがバシャンと水しぶきに襲われた。
「ピエール、やったな!?」
ルイは仕返しとばかりにピエールに水をぶっかけた。
ルイーズは三人の無邪気な姿を見守る。
ルイのジャコバン党は、ジロンド党の粛清を終わらせれば、次々と、反対派の粛清。
それに伴い、派遣議員が地方に派遣され、それぞれ、弾圧を容赦なく行った。
当然、ギロチンだけでは間に合うわけがない。
1794年7月まで続く恐怖政治の期間、全国で50万人が反革命容疑者として収監され、約1万6000人が死刑判決を受け、処刑されていったのだ。
ジャン=ミシェル・デシャン、マリー=エリザベートもその犠牲者の一人。
ルイ16世の妹エリザベート内親王も一緒だった。
ギロチンだけでなく、銃殺刑、そして、溺死刑も厭わなかった。
ロワールで、派遣議員による反革命の容赦ない取り締まりは熾烈を極めた。議員ジャン=バティスト・カリエは、収監された反革命容疑者を舟に乗せ、深みで栓を抜いてから彼らを水死させた。その処刑法で3000人の犠牲者が出た。
*****
「サン=ジュスト君?」
そう、カトリック・オラトリオ付属修道会学校の給食担当のジャン=クサヴィエ・デシャン。
ルイが在学中、ジャン=クサヴィエが給食職員の見習いとして働いていたとき、知り合っていた。
ジャン=クサヴィエは、たまたま、ブレランクールに用事があって出向いていたため、難は逃れていた。
「ムッシュ・デシャン?」
「あのときの面影のままだ」
ジャン=クサヴィエは最愛の双子の兄が処刑された悲しみを抱いていた。
国王ルイ16世が国王はく奪されても、敬意を払い、跪いていた、という理不尽な理由で。
ルイたちが手を染めた、というのは知らないわけがなかった。
「本当のサン=ジュスト君は、やんちゃで無垢な少年。曲がったことが大嫌い、だという青年・・・」
ジャン=クサヴィエにそのことを知られたのだろう。
そして、ルイはいたたまれなくなり・・・
「ムッシュ・デシャン、これで・・・失礼します・・・」
ルイは気まずそうになり、会釈をして、ブレランクールを後にした。
パリに到着したルイは、早速、ル=バ兄妹と面会した。
ル=バの妻エリザベートは今、妊娠中だった。
*****
作者yunaより。
ブレランクールはサン=ジュストの故郷。
ルイにとって純粋に過ごした少年時代。
しかし、ジャン=クサヴィエによってルイの心の奥底を見られてしまい・・・
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