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Vivre dans la révolution~革命に生きて
ルイの当番日
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Germinal(ジェルミナール。芽月、3月21日、22日~。革命暦)
ルイはその日、当番日。当番日は本部に残って、泊りがけで仕事をする。
マクシミリアンたちは、昼過ぎまで自分の仕事を切り上げ、それ以降は、自分たちの時間を思いのままに過ごした。
「マクシムはエレオノールとデキているんだろう?」
「かくいうカミーユは、ルシールとどうなんだ?」
「ばっちりさ」
カミーユとマクシミリアンは談笑をしあいながら、本部を出ていく。
ピエールはここ最近、体調を崩しがちだ。心労が重なっていたのだろう。
「チュイリエ先生、大丈夫でしょうか?」
「大丈夫だ」
ディディエはピエールを心配する。
「この仕事、俺がやっておく。ジャン=バティストたちは自分たちの時間を過ごすべきだ。新婚だろう?」
「メルシー、ルイ」
ドルーエもヴァレンヌに戻らなければいけない。そう、ドルーエもフレデリックと同様、新婚。
「ルイ。元気で!おまえもヴァレンヌに来いよ!」
「Au revoir!」
ドルーエはパリを後にする。しかし、生涯最後の別れとなった。
午前中は研修。それぞれの討論が飛び交っていた。
オルレアンとダントンのやり取りに目を奪われる。
昼過ぎは、研修の課題をしなければいけない。
「ここの箇所が解らない・・・どう、まとめようっか・・・」
ディディエは助言を求めようと、マクシミリアンたちに質問をしようとした。
しかし、残っているのは・・・ピエールとルイ。
「チュイリエ先生?どのように、まとめるべきでしょうか?」
「・・・ふむ・・・これは・・・このようにすべきだと思うな・・・。詳しいことは、ロベスピエールさんかルイに聞いたほうが得策だ。ロベスピエールさんは、デュプレイ家に行ったからな・・・」
ディディエとピエールがやり取りをしているところ、ルイがやってきた。
「ピエール、体調悪いんだろう?今日は帰って休め。ここは、俺が変わる。どっちにしても、当番日だし」
「メルシー。週明けに間に合うように体調を整えておくよ。ルイはランス大学在学中に、弁護士資格と学士号を取得したんだ。ディディエ、ルイによく質問するといい」
ピエールはだるそうにしながら、本部を後にする。
「ふむ・・・」
だけど、こうも言ってはいられない。ディディエは後れていた箇所の取り返しのため。
「ここに座ってろ。俺、資料を取ってくるから」
「ウ、ウイ・・・」
ルイは資料室から何冊かの資料を取ってきた。かなり、膨大な量だ。
そして、資料の頁をめくった。
「ってことは・・・僕はこれだけ、後れを取っているってこと・・・?」
顔面蒼白状態だ。
「そういうことになるな。さて、はじめようっか」
ルイの助言を借り、ディディエは黙々と課題をこなしていた。
課題をこなしていくうち、外は暗くなっていった。
三月下旬(ジェルミナール)とはいえ、外は未だに冷える。
「なんとか、ひとつひとつ片づけたおかげで、これだけになった・・・」
課題が終える目途も無事に立ったディディエ。
カトリックオラトリオ修道会付属学校での教育実習生時代、こうやって、ルイから個人授業を受けていたのを思い出したっけ・・・
******
作者yunaより。
休学の後れをとっていたディディエ。
ルイの下で課題を片付けることになりますが・・・ルイの思惑は・・・?
次回は・・・新たな急展開になる序章です!
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