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Vivre dans la révolution~革命に生きて
王党派露見
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「Merci,monsieur Saint=Just」
「De rien(どういたしまして)」
さて、早く帰らなきゃ。外は本当に寒い。氷点下にならないうちに戻ろうっと。
ディディエはたまっていた課題を終えて、荷物をまとめていた。
忘れ物もない、しっかりと確認をしていた。
上着を着て、ルイの元を去ろうとしたとき・・・
ルイはディディエの腕を力いっぱいに掴んだ。
「ディディエ、話がある・・・」
「ここで話を聞きますが?」
表情が冷めた双眸のルイ。馬耳東風を装っている。
腕は一向に離そうとしない。振りほどこうとするも、逆に力は増すばかりだ。
ディディエはルイに別の部屋を案内される。
ジャコバン党の本部は、質素だろう、と思った。
しかし、壁紙は本当にきれい。しかしながら、贅は尽くしているとはいいがたい。
離れたところにも寝室もある。
ルイは窓の外を見ながら・・・
「・・・ディディエ・・・王党派なのか・・・?正直に答えてくれ」
「!?」
遂に、王党派であることをルイに言い当てられてた。
「ウイ・・・おっしゃる通り、僕は王党派です」
これ以上、誤魔化し通すことは不可能だ。
ルイがアルザスにフィリップたちと小旅行してたとき、ソフィーから話しかけられた・・・
ジャン=フランソワの多額に寄付金を持ち掛ける際、ディディエと縁を切ってほしい、と言ってきた。
そのとき、ディディエが王党派であることを確信したのだろう。
ジャン=フランソワの行動は、逆にルイを煽っていた。
「あのとき・・・実は僕、デシャン先生たちと聴講しに来ました・・・チュイリエ先生も一緒でした・・・」
彼の表情がこわばっている。
「・・・ピエールも一緒だったのか・・・?」
「・・・チュイリエ先生が、サン=ジュスト先生が出世した、って噂を聞きつけていたそうです・・・」
「・・・そうか・・・」
ルイは動揺を隠せない。
ディディエは死を本当に覚悟をした。
もう、この世には悔いはない。
カトリックオラトリオ修道会付属学校時代、ルイの部屋で・・・
お互いが敵対同士とは全く知る由もなく・・・
ディディエはルイに駆け寄り、強引にキスを奪った。
本能のまま、貪り続け・・・
程なくして、ルイはディディエの脇の下と膝の下に腕を入れ、そのまま立ち上がった。
ふわりとした感覚のあと、ディディエの身体は宙に浮いている。
ルイに横抱きにされた格好だ。
「!?」
「向こうに行こう」
******
作者yunaより。
王党派であることをルイに言い当てられてしまったディディエ。
誤魔化し通せるわけがない、と悟り・・・
次回は・・・急展開です!
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