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Vivre dans la révolution~革命に生きて
開き直って~公然と
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ディディエとルイの仲は公然としていた。
最早、開き直っていた。あの事件をきっかけに、逆に絆が深まっていた。
お互いの本分が終われば、二人は二人きりになっている。
パリのルイの部屋。
ランス時代の部屋よりは少し広い。
「この本・・・本当に奥が深いね・・・」
「何度も繰り返し読んだ。それ、ディディエにやる」
「メルシー、ルイ。今日も課題出されたんだ。そろそろ、片づけるために帰らなきゃね」
「ディディエだけでは片付かないだろう。ここで、やっていけ」
って、馬鹿にしているの?
ルイは出された課題と照らし合わせながら、何冊かの本の頁をめくって助言した。
「ここは、こう書くべきだ」
ルイの教え方は目から鱗だ。
その甲斐あってか、宿題は無事に完了した。
来る日も来る日ルイたちと一緒にいることが多くなった。
毎日のように、ルイの肌の匂いを至近距離から感じている。
周りが白い目で見ようが、何を言いようが、聞く耳持たず。
「おいおい・・・」
ジャコバン党本部での研修の合間も、ルイと談話していた。最早、ディディエはルイからは目を逸らさなくなった。
「ディディエ、付き合い悪いぞ!」
オルレアンやギョームは気を悪くしている。
「ごめんごめん!!」
やはり、学友との付き合いも大事にしなければいけない。
方や、ルイも同僚たちとの付き合いも大事にしたい。大親友とのピエールと飲む約束をすっぽかすところだった。
「ルイもルイだ。ディディエの付き合いは程々にしてくれよ」
ピエールもルイに呆れている。
*****
今日はデシャン邸で食事会。
国王ルイ16世の顧問側近時代とは打って変わり、かなり、質素になっている。
それでも、小さな幸せを見つけながら、楽しく食事をしたりしている。
ジャン=クサヴィエがジャン=ミシェルのルセットを片手に料理を振舞ってた。
「ディディエ。体調良いだろう?なら、好きなだけ食ってくれ!」
ジャン=クサヴィエは張り切って、腕を振るっていた。
好物ばかりがテーブルに並んでいる。
体調もすごくいい。食欲も出てきているため、出された料理は平らげたほど。
「ディディエ、今日は泊まっていけ。部屋はちゃんと用意してあるからさ」
ギョームはルイが仲良くしているのを少しばかり、嫉妬している。
部屋は、ディディエと自宅の部屋と比べ物にならないくらい広い。
キングサイズのベッド、高価なベッドリネン、壁紙・・・机には、カトリックの十字架とロザリオも。
クローゼットには、沢山の服も。
ジャン=フランソワがギョームのために誂えた服、国王ルイ16世の男子時代のお下がり・・・
ディディエ曰く
「Hors de question(話にならない)」
翌日は、ギョームたちと一緒に過ごした。
何も考えたくない。
フォンテーヌブローの森に行きたい。だけども、のほほんとそこに行きづらい。
なら、どのように楽しもうかな。
馬や別荘は処分している。
それなら、チュイルリー公園で公演している演劇でも見ようかな。
天気も良い。
「ディディエ、急げ。席が満杯になるぞ!」
その日の演目(プログラム)は、「ジュリアス・シーザー」。
「ブルータス、おまえもか!?」
シーザーが暗殺されるときの最後の言葉として有名である。
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