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Vivre dans la révolution~革命に生きて
粛清の嵐~走馬灯のごとく
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6日、パリ大学で、穏健派の処刑の知らせを知った。
「ダントン先生!?」
ショックが隠せないオルレアンたちだった。
オルレアンは話がとても巧みで、カミーユやダントンから高く買いかぶられていたほど。
********
『オルレアン、おまえって考えしっかりしているよな。本気で弁護士を目指そうとしないのか?』
『まだまだ、勉強中の身ですから。だけれど、デ=ムーラン先生やダントン先生のような弁護士や政治家には憧れを抱いています』
******
オルレアンは、こらえきれず、大学を飛び出す。
「オルレアン!?」
ディディエとギョーム。
一限目はラテン語の授業だった。
その日は、オルレアンが得意のラテン語で授業を展開する日であったが・・・。
主任教授のメッシーナである。
メッシーナは、イタリア系フランス人。
「オルレアン・イバニェス君は今日、欠席か?」
「・・・今朝、急に具合が悪くなって・・・」
ディディエたちはなんとか、その場をしのいだのだった。
ダントンらが処刑されたショックで飛び出したなんて言えるわけがない・・・
**********
リュクサンブール公園
1612年にマリー・ド・メディシスがジャック・ボワソーに命じてリュクサンブール宮殿に付随するものとして造園された公園。
マリー・ド・メディシスは、イタリア・ルネサンス時代の大富豪メディチ家出身で、ルイ13世の母親でもあった。
ルイ16世のご先祖にもあたる。
オルレアンは、一目はばからず、男泣きをした・・・。
ジャコバン党での研修のとき、ダントンの熱弁に圧倒されていたオルレアン。
ディディエやギョームたちも同じ気持ち。
オルレアンは、休憩のとき、ダントンに質問をしていたことがあった。
親しくなるのも、そう時間はかからなかった。
『オルレアン?今夜、メシでもどうだ?』
夕食時、ダントンとカミーユと三人で盛り上がっていた。
オルレアンも一緒に飲んだりしたりして、話題が尽きなかった。
話もお互いに巧みであった。
午前様まで盛り上がったほど。
『ダントン2世だ。未来、フランスを担う政治家になるべきだ』
短い期間ながら、楽しかった日が思い出しては、走馬灯のごとく消えていく・・・。
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