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Vivre dans la révolution~革命に生きて
フルーリュスの戦い~フランス革命戦
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1794年6月・・・
「ルイ・・・戦地に赴くんだ・・・」
ピエールの声がする。
いよいよ、ルイは「死」を覚悟したのだろうか・・・
******
「聞いたよ、ルイ・・・行くの・・・?もう一度・・・あの場所へ・・・」
「ウイ・・・」
ディディエはこの時ばかりは遊びではないと感じていた。フィリップは今回は同行しない。
アンリエットとの婚約を解消してから、気まずい雰囲気が漂っている。
「ディディエ・・・最近・・・変わったな・・・」
「・・・」
どうして、そんなことを言うのだろう?
アンリエットとのことを疑われている?
「そうそう。ギョームがソフィーと婚約したんだ。卒業してから二人はここを離れるんだ。そして、ウィーンに移り住むって」
ルイはディディエの変化に引っかかるけど、掘り下げるようなことはしなかった。
ディディエはルイがいるだけで何も要らない、と言いたかった。
敢えて言うことはなかったけれど・・・
「元気で、ディディエ」
二人の抱擁は長かったけど、口づけはかなり切な過ぎる。
神様、ルイが無事で戻ることができますように。
ディディエは部屋で十字架を握りしめて祈りをささげていた。
公の場で祈ろうものなら、処刑といった厳罰にされかねない。
ルイは現地でジャン=バティスト・ジュールダン(Jean-Baptiste Jourdan,1762.4.29 -1833.11.23)と合流した。
ジュールダンは、当時、共和派の軍人・政治家として名をはせていた。
外科医の息子として誕生していて、ディディエの父ニコラやティエリととても親しい。
「ミラボーさんみたいなデキる男。ジュールダンさんは医者の家庭に産まれながら、軍人・政治家の二足の草鞋を履いている。僕と同じような境遇かもね」
ルイとジュールダンたちの大活躍により、26日のフリュールスの戦いはオーストリア軍に勝利。この結果対仏大同盟軍はライン川以西からの撤退を余儀なくされ、フランス軍は南ネーデルラントとラインラントの大部分を制圧。
「流石はルイだ」
ジャコバン党本部ではピエールやディディエたちはささやかな歓喜に沸いている。
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