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Vivre dans la révolution~革命に生きて
死を覚悟した~テルミドールの暴動
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「ディディエがコンシェルジュリに拘留されたんだって!?」
ジャコバン党では緊迫ムード。
ルイがベルギー前線から戻って来るや早々、ジャコバン党に激震が走る。
そこには、ジャン=フランソワやギョームもいる。
「ロベスピエールさんの体調を安否していたときだ。フーシェの付近はディディエを拉致したんだ」
「何とかして、ディディエを救出できないのだろうか」
*****
ジャコバン党は最早、消化試合となっている。
ルイたちは、ジャコバン党本部を引き払い、市庁舎に逃げ込んでいった。
1794年7月27日。
「ロベスピエールとサン=ジュストらは市庁舎に逃げた。彼らを裁判なしで死刑執行だ。皆の意見はどうだ?」
決議がなされた。
「賛成だ」と一斉に死刑に賛成したのだった。
ジャコバン党の一部は国民公会の中間派と密に協力してロベスピエールを打倒しようとした。また、恐怖政治の先鋒としてパリ以上に行き過ぎた弾圧を行っていた地方派遣議員(ジョゼフ・フーシェ、ポール・バラス、ジャン=ランベール・タリアンら)は、ロベスピエールの追及を恐れて先制攻撃を画策していた。そこにはフレデリックもいた。
フレデリックは、その策略者でもあったのだ。
ディディエとルイのスキャンダルが未遂に終わったため、その憎しみはエスカレートしていたのだ。
「なあ、ジョセフ?ルイたちジャコバン党を殺ってくれよ?その見返りにいくらでも金を積んでやってもいいがな」
フレデリックはフーシェにその画策を耳打ちをする。
その日、マクシミリアンたちを守るべく議員たちは、必死で、入り口にバリケードを施した。
外では、パリ市のコミューンが蜂起し、その隙にロベスピエールらはパリ市庁舎に逃げ込む。市庁舎にはマクシミリアンたちを守るべくパリ市国民軍司令官フランソワが率いる200人の国民衛兵と3500人の群集が集結してきた。
そこには、オルレアン達も加わっていた。
「監視が半端ではないほど厳重だ。慎重にやってくれ」
ギョームはオルレアンに忠告をしながら、市庁舎に送り込んだ。
その日は、激しい雨が降っていた。
夜、ほとんどの群衆が現場を引き上げることになる・・・
そして、反対派は自衛官に「宜しくお願いいたします」と挨拶をして、固い握手を交わした。
部屋では、ルイたちが窓からその光景を見下ろした。
「罠にはまったようだ」
その不安は的中した・・・!
まずは、フレデリックを始末しなければ・・・
その後、反対派(テルミドリアン)は市庁舎を占領した。
一斉に大砲を爆破させて、ドアを撃破。一斉に敵の群衆が雪崩れ込んできた・・・!
クーデターが起きたのだった!
兵士はマクシミリアン側の議員に次々と発砲し、マクシミリアン側への攻めにかかってきた。
どこまで汚いんだ、ディディエを品定めをするとは・・・おまえを絶対に許せない。
ルイは床に落ちていたピストルをひったくり、フレデリックたちを射殺。その結果、ディディエは守られたのだ。
しかし、反対派の兵士はルイを押さえ込んだ。
アンリエットの兄フィリップはピストル自殺。マクシミリアンは敵側に発砲しようと、奮闘。
だが、ピストルは誤って落として暴発。マクシミリアンの顎に向けて暴発した。
下半身不随のクートンも自殺を試みるも失敗に。
「ブラボー!」
民衆たちは反対派の軍隊や自衛官たちを褒めたたえた。
降り続いた雨は上がった。
ルイは兵士に両脇を抱えられていた。下半身不随のクートン、顎を打ち砕かれたマクシミリアンは担架に乗せられて、コンシェルジュリに移送されていった。
コンシェルジュリ牢獄。
先に、オーギュスタンが到着していた。
「兄さん・・・!?」
粗末なベッドに横たえられたマクシミリアン。それを目の当たりにしたオーギュスタン。
顎を打ち砕かれ、血まみれになってぐったりとしていた。
軍医が手当を施した。かなり、不衛生な包帯だった。
哀れな姿である兄の姿に目を覆うオーギュスタンの姿、下半身不随のクートン、部屋の片隅に放り込まれたル=バの遺体。
これが敗北者の運命であった・・
オーギュスタンは、「僕にも逮捕状を出してください。兄と運命を共にしたい」
憲兵たちはマクシミリアンたちを酷く嘲笑った。
「・・・ルイ・・・?」
髪の毛は乱暴に切られていた。衣類は切り刻まれ、不衛生な服装をとりあえず着ていた状態だった。
「・・・ディディエ・・・無事だったんな・・・」
ディディエの口元は小刻みに震える。
「ディディエを解放してやってくれ。ディディエには罪はない」
ルイは憲兵たちに言う。
しかし、憲兵はルイたちをあざ笑う。
「これは、俺の最後の願いだ」
「ディディエ・メンディーを釈放する」
テルミドリアンの一人・ポール・バラスがいう。
ディディエは憲兵に促される。
「ディディエ・・・」
「ルイ!?」
憲兵に両脇を抱えられたディディエ。コンシェルジュリの外に出されていく。
************
敗北であったが、こんなに穏やかな気分でいられたルイ。
この静寂の中にいると、数時間前までは怒号、市庁舎での戦闘が嘘のように見えた。
無垢で純粋だった少年時代を思い出した。
ルイーズ、ピエール、フランソワと毎日のように遊び惚けていたっけ・・・
死を迎える、ということがこんなに穏やかなものなのだろうと・・・
1794年7月28日、18:00
パリ・革命広場へと、次々とジャコバン党を乗せた荷馬車がやってきた。
次々と名前を呼ばれ、ギロチン台へとのぼっていった。
死刑執行人のアンリ・サンソンが次々と、フルネームで読み上げていく。
そして・・・
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