アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
Vivre dans la révolution~革命に生きて
Adieu Didier...
-
「・・・実はというと、もう、ジャコバン党は勝機はないんだ・・・」
ルイは衝撃的な言葉を口走っていた。
フリューゲルスの戦いに向かうとき。
『ルイ、行かないで!』
ディディエは咄嗟に駄々をこねる。幼子のように。
『僕も連れて行ってよ?』
『NON!』
****************
「今、なんて言ったんだ?」
「・・・風月法が計画倒れに終わったんだ・・・。デシャンさんがそのことを聞きつけて、想像もつかない多額な金銭を寄付する、と持ち掛けられたんだ。ディディエも知っているだろう・・・クートンさんたちは仕方なく受け取ったが・・・」
王政が廃止になって、ジャコバン党以外にも、カミーユやジョルジュらの穏健派という派閥もできた。俺とは政敵であるフレデリックも穏健派でもあった。
ジャコバン党でも、内部対立は絶えなかった。ピエールが仲裁に入るも、事態は悪くなるばかり。ショーメットやエベールはマクシミリアンにとっては厄介者だった。ジャコバン党は少数グループで、もともと支持基盤が弱かったが、極端な権力の集中と恐怖政治の実行により、名目的な主導的地位にあったジャコバン派にに非難の矛先が向くようになり、最高存在の祭典やカトリーヌ・テオの神の母事件などを機に、次第に支持をされなくなり、孤立していったのだ。
どこの派閥も、権力争いに負けた時点で、「死」が隣り合わせでもあった。
愛国家である以上、犠牲は付きまとう。マクシミリアンのための政治だと恐れられている現実。
だけども、マクシミリアンたちも犠牲者の一人。苦渋の決断を幾度か施していた。
「・・・本当に・・・生きててほしいんだ・・・俺たちのためにも、未来のフランスのためにも・・・無駄死にはさせないでくれ・・・どんなに辛いことがあっても・・・」
「・・・約束する・・・僕が一生懸命努力して・・・フランスを立て直す・・・」
「・・・元気で・・・ディディエ・・・」
********
作者yunaより。
死を本格的に覚悟したルイ。ディディエは幼子のようにルイに我儘を言いますが・・・
そして、ジャコバン党の内部事情をルイが打ち明けます。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
66 / 71