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信じること。6
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「颯斗さん。」
「ん?」
「もうそろそろ帰るの?」
しばらくお互いの温もりを感じながら過ごしていると不安そうな声で棚木くんが聞いてきた。
「そうだね。明日の仕事を考えると帰らないと…。」
「そっか。
こんな夜遅くまで付き合わせてごめんな。
玄関まで送る。」
「そんなの気にしなくていいよ。」
きっと不安そうな表情の原因は俺なんだろうけど、こんな時でも気をつかってくれる棚木くんは律儀でいい子だ。
でももう少しだけ俺を頼って欲しい。
だって俺は棚木くんの恋人なんだから。
なんてセリフ小っ恥ずかしくて俺には言えるわけないのが情けない。
「じゃあ、また明日。」
必死に笑顔を作っているつもりなんだろうけど、なんだかぎこちない。
俺はそんな棚木くんを見ていられなくて抱きしめた。
言葉で伝えるのがダメなら態度で伝えればいいんだ。
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