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世界五分前仮設*emzm*甘々
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ゾム目線
「ゾムさん、世界五分前仮設って知ってますか?」
二人っきりの昼下がりエミさんのそんな急な発言に思わず『は?』と返す
するとエミさんはそんな俺などお構い無しに話を続ける
「もしかしたらこの世界は五分前に出来ていて五分後には違う世界になっているのかもしれない記憶も記録も五分前に作られ、それをずっと前からあるというようにインプットされているかもしれないって仮説です」
「いや、それは知っとるねんけど、なんで今その話なん?」
そう俺が聞くと、彼は柔らかい笑のまま答えを告げる
「ただふ、とこの仮説のことを思い出してゾムさんならどうするんやろうな〜って気になったからですよ」
その柔らかい物腰や言い方はどこまでも優しく俺の心を落ち着かせてくれる
「俺は・・・うーん、どうやろ、とりあえずエミさん探すかな」
なんて言って彼に微笑みかければ、彼は少し驚いたような表情を浮かべた後に優しく俺の頭を撫でてくれる
「ありがとうございます、とっても嬉しいです」
「んふふ、じゃあ、エミさんは?エミさんやったらどないするん?」
そう聞けば少し悩んだような素振りを見せたあとに微笑みながら口を開く
「そうですね、何度世界が変わろうとも一緒に居られるようにゾムさんのことを離しませんよ」
「な!なんやそれ!///」
彼の発言に顔に熱が集まっていく
そんな俺の姿を愛おしそうに色素の薄い瞳が俺を見つめる
不思議とその瞳に吸い寄せられ、目が離せない
「は、恥ずかしいやつやなエミさんは///」
照れ隠しではいたそのセリフ
きっと彼にはこれが照れ隠しだとわかっているのだろう
けれど彼はそんなこと知らないと言うような素振りでまた口を開く
「そうですか?」
「そ、そうや!」
「ふふ、でも、本当にそうしたいくらいあなたのことが好きなんですよ、ゾムさん」
その言葉に俺の脳も顔に集まる熱もオーバーヒートを起こす
それでもこんな日常が幸せで、こんな時間が続くのならずっと彼に捕まっていてもいいかななんて思ってしまう
いや、きっと既にもう捕まっていているのかもしれない
それでもいい、いや、むしろその方がいい
「ずっと離さんでな、エミさん」
そう言って俺は真っ赤な顔で彼に笑いかけた
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