アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
-10-
-
「涼ちゃんは行かないの?」
「……行く気はない」
そうだよなぁ……そう言うとは思ってた。
涼ちゃんの高校の頃は、どちらかというと謎っていうか……あまり人と接するところなんて見なかったし……
あ、でも一度町田先パイと付き合ってるとか噂があったのは知ってる。
でも一人で行くのはイヤなんだよなぁ……俺のこの体質を話していてフェロモンが効かない人は涼ちゃんだけだし……
あ、もう一人いたか。高校一緒で俺の体質を知ってる人。
でも、できれば会いたくないけど……ムカつくから。
俺がこの飲み会に行きたいわけは気まぐれというわけではない。情報収集をするため。
一時期、発情しぱなしだったのはなぜか……どういう男にフェロモンがわかり、襲い掛かる衝動になるのか……
俺は今まで逃げてた。この体質からも、自分からも……
でも涼ちゃんに話したおかげで少し楽になった。前みたいに死のうとまでは思わなくなった。
まぁ性格上、ネガティブになることもある。涼ちゃんも上手くいかないことがあると距離を置こうとする。
「…何があったか知らないけど、気分転換しに行こ?」
「…イヤだ」
もう……こうなったら、写真作戦だ!
「……じゃあ…涼ちゃんの恥ずかしい写真、みんなに見せてくるね?」
「は?」
涼ちゃんは昔のことを知られるのはイヤらしい。だからそれを使って強引にでも飲み会に行かせる。
我ながらあくどいことをやるなぁと思いつつ……
「小学校の運動会の写真とか、中学の入学式の写真とか」
「な、脅しかよ……てかなんで持ってるんだよ」
「景太さんが忙しくて来られなかったとき、『俺の代わりに撮っておいてください』って頼まれたから両親がカメラ1つずつ持って俺の写真と涼ちゃんの写真を撮ってたんだって、だから涼ちゃんの写真はうちにたくさんあるよ?」
小学生の頃はまだ産んでくれた母親が生きていて、俺のことよく撮ってくれた。
中学の初めての入学式で写真を撮ってくれた義母はまだ優しかった。それに兄も……
「で?どうする?飲み会行く?」
「……い、行きます……」
ごめんね、涼ちゃん、脅迫なんかして……
でも涼ちゃんのためにも少しずつ治していきたいんだ、この体を……
それには知ることが大切で、危険かもしれないけどやって見なくちゃわかんないから……
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
11 / 764