アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
-12-
-
その瞬間、媚薬を嗅がされたように体が敏感になっていく。
「ハァハァ……何、これ……」
「あずさ……?」
これは隆の仕業……?いや、それなら会った瞬間からこの状態のはず……
体が熱い、疼く、欲しい。
誰でもいいから、これをなんとかして……
体の力が抜け立っていられない。隆にしがみついて「抱いてほしい……」って言おうとするけど……
「ハァハァ……」
息をするだけで精一杯。
すると目の前に一台の車が止まり2人の男が降りてきた。
一人はスーツ。もう一人は……視界が生理的な涙でぼやけて見えない。
コツコツ……とその男たちがこっちに近づいてくる音がする。
男のどちらかが近づいてくるたびに俺の体は疼く。
また飲み込まれる、快感に……
そしてまた同じことを言われるに違いない。
俺は近づいてきた男のフェロモンの強い方に抱き着いた。
「ねぇ、俺のこと抱いてよ……もう我慢できない……」
男は俺を担ぎ上げ、車に乗せた。
その男ともう一人の男は何か話していたが、そんなことなんか気にせず俺は男の膝に乗った。
「ハァハァ……抱いてよ……」
そう言っても男は抱く様子はない。確かに男が興奮しているのはわかる。でも何もしてこない……
「なに、やせ我慢してるの……ハァハァ……がっついていいんだよ……?」
そう言っても何もしようとはしない。いつもの男たちとは違うとか言いたいわけ……?
ムカつく、なんかムカつく。いい人ぶってるんじゃないよ……
俺は服を脱いでさらに興奮させようとするけど、途中で脱ぐのを止めさせられて……さらに着ていたジャケットを俺にかけた。
何なの、意味わかんないんだけど……発情してる時にこんな優しさいらない。激しく抱いてよ、俺を求めてよ……
そうじゃなきゃ、こんな自分いらない……
嫌な思い出がどんどん蘇る。イヤだ、イヤだ。助けてよ……
すると男が俺に初めて声をかけた。
「大丈夫。俺の声を聞け……そうすれば忘れられるから……」
その声を聴いた瞬間、頭の中で響き渡る。優しい声……温もりを感じる……
さらに体にも異変が現れる。
体が今にもイキそうになる。何で……この人に何もされてないのに……
「ハァハァ……こんなの……イヤ……」
初めての感覚で恐怖を覚える。
「着きました」
スーツを着ている男がドアを開け、優しい声をかけた男が俺をお姫様抱っこする。
そしてついた場所は見覚えのある診療所。出迎えてくれたのは……
「伊織」
「結局行ってくれたのね、じゅんちゃん……お願いしておいて良かった……やっぱりこうなると思ってた……」
伊織先生だった。
「奥の部屋なら空いてるし、鍵もかけられる……お願いしてもいい?」
「はぁ、わかった……染谷、お前はこいつと待ってろ」
「かしこまりました」
俺はそのまま、この『じゅんちゃん』と呼ばれる人に運ばれて部屋に入った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
13 / 764