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涼ちゃんはずっとうつむいていた。
きっと俺や景太さんに知られるのが怖くて顔を上げられないのだろう。
俺も自分の過去を話すのは怖かった。
拒絶されるんじゃないかって……
拒絶なんかしないのに。涼ちゃんは涼ちゃんなんだから……
でも気持ちはわかる。
そう思ったら涙がこぼれた。
彼がこんなにも悩んでいたのに何も気づけず、平気な顔して……
ごめんね、涼ちゃん。
自分のことしか考えれなくてごめん……
そんなことを思いながら涼ちゃんの腕の中で大泣きした。
もう成人したというのにかっこ悪い……
それでも彼は何も言わずただ抱きしめてくれた。
泣き止んだ後、昨日の疲れが残っていたのか泣いた後だからか、睡魔が襲った。
涼ちゃんの方が疲れてるのに俺が先に寝てどうするの。
それに泣いた後に寝るとか赤ちゃんかって……
起きなきゃいけないのに瞼が重い。
「……眠い……寝ていい?」
優しい涼ちゃん。今日だけはいいと言ってくれてそのまま眠りについた。
起きたらベッドにいてもう外は暗くなり始めていて時間は夕方5時を過ぎていた。
ベッドから降りてリビングへ行くと揚げ物のいい匂いがした。唐揚げだ、景太さんが作ってくれたようだ。
本当はそのまま帰ろうと思ったけど彼が『食べていくといい』と言ったので遠慮なくごちそうになった。
涼ちゃんが心配で少し食欲はなかったが、泣いて寝てスッキリしたのかいつも通り食べれるようになった。
そして涼ちゃんにも元気が戻ってきたのだった。
翌日涼ちゃんは遅刻してきた。
どうやらあの後俺と同様に寝てしまい、夜寝付けなくなって朝起きれなくなったらしい。
でも顔色は良くなってきていていつも通りの涼ちゃん。良かった、元気が出たみたいで。
昼休みのとき坂口くんのこともなんか告白までいく段階までになったけど、俺のせいで台無しだとか言ってた。
でも涼ちゃんがいけないんだよ?待ち合わせの場所にいなかったんだから……
授業が終わりあと帰るだけとなって、涼ちゃんが寝ていたので起こすと時間のことを気にしていた。
そんなことより涼ちゃんが告白しそうになったことが知りたいんだけど。
でも話してくれない。やっぱり話しづらいのかな、俺に……
思ったことを言うと彼は『自分のことを考えな、お前のおかげで勇気もらえたから』と言ってくれた。
そんなこと言われたら惚れちゃうよ……
でも、涼ちゃんは坂口くんのことしか見てない。
それに彼は大切な親友だからね、好きではあるけど恋愛対象としてはちょっと違うかな。
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