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俺は一体何を考えていたんだろう。
気づいたら清水さんにキスしていた。伊織先生がいる前だというのに。
「あ、梓くん……?」
「あ、あれ……俺、今……何を……」
目の前に清水さん、清水さん……
「うわぁぁぁぁぁ!」
「何を騒いでるんだ。落ち着け」
「な、何で逃げなかったのさ!好きでもない男にキスされるってわかってたのに!」
「頬をお前の手で押さえられてたから」
「いやいや、そんな強くなかったから!逃げれたから!」
何やってるんだよ、俺!何でキスなんかした!?あの瞬間が心地よくて好きだからってキスなんかあり得ない!
「もう……俺のバカ……」
ため息。清水さんがついていた。
「たかがキスで何動揺しているんだ、今さらだろ。それにこれが初めてじゃあるまいし。」
「そうなんだけど……」
「何が気になるんだ?何が気に入らないのだ?そんなに俺とのキスがイヤだったのか?」
また清水さん、ムッとしてる。
何か可愛い……はっ!いけない、いけない。そんなことよりキス!
「イヤでは、なかったけど……」
「何で?」
「何でって……キスは嫌いじゃないから……?」
「俺とのキスは好きなのか?」
「ん?……まぁ、そうだけど?」
そう答えると表情が戻る。
清水さんって意外とコロコロ表情が変わる人なんだな……
普通の人じゃわかりにくいかもしれないけど。
話が終わり車で待っているとあの元へ。
「おかえり、どうだった?」
「特にないかな。あ、でも胸がキュンってするのは恋じゃないかって言われたけど……俺は恋愛とかわかんないからそれが本当に恋なのか確定はできないかな」
「そっか、良かった」
「ん?何が良かったなの?」
「まだ俺は梓の傍にいられるから良かったって話」
どうしてそれが確定すれば傍にいられなくなるのか……あ、そっか……
俺が恋人でもできれば、この関係は終わる。
そしたらとあは……
でも。
「変わらないよ」
「ん?何が?」
「もし俺に恋人ができたとしてもとあとは友達だから」
「そっか……でもね、あずさ。何度も言ってるけど俺は友達はイヤだよ。俺は恋人がいい。だから気づかなくていいよ。俺以外の人に恋したなんて……」
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