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頭がぼーっとする
もらった薬を飲んで効き始めてもいいころなのに全然効いていないような
それとも効きすぎでぼーっとするのかはわからない
「大丈夫か?」と隣にいる清水さんが俺に声をかける
「うん……大丈夫なはずだけど……何か頭がぼーっと……」
「熱上がってきてるんじゃないのか?」
そう言うと額に清水さんの手が添えられる
清水さんの手、冷たい……
手が冷たい人って心があったかいとか聞いたことがあるけど本当かな……
不意にそんなことを思う
「だいじょうぶ……清水さんの手で下がりそう……」
額に添えられた手に自分の手を重ね、その手を頬に持っていく
「お、おい……」
何でこんなことをしているんだ、俺は
こんなことして何になる。困ってるじゃん、清水さん
でも……
少しでもこの人に触れていたい。そうすると安心するんだ。
すると俺の手を離し正面を向く
「そういうことは彼氏にやってもらえと言っただろ」
「先に清水さんがやったんでしょ……」
「俺は熱があるか確認しただけだ」
知ってる。彼はただ心配していただけ。俺のことが好きとかでそんな行為をしたわけじゃない。
知ってるのに。知ってるのに……またズキズキとする
「お前の家はどこだ?」
「どこでもいいでしょ……知りたければ染谷さんに聞けば……彼に教えたから……」
モヤモヤ、ズキズキするからか彼に当たってしまう
別に何も悪いことしてないのに……
「何怒っているんだ?」
「別に……」
こんなの八つ当たりだ。自分のせいでこうなったのに当たって……
こんな俺の姿見てさすがに嫌われたかな、可愛くないって思うかな
怖い。この人には嫌われたくないなぁ……
すると「はぁ……」とため息が聞こえた
やっぱり面倒くさいと思ったり可愛くないって思ったんだろうか
「市川様、着きました」
車が止まり染谷さんの声が聞こえたので車から出ようとする
「ありがとうございました……」
ふらふらしながら外に出る
まだ熱があるせいだろう。バランス感覚が掴めない
「そんな状態だと危ないぞ」
「だ、大丈夫。子どもじゃないし……さっきみたいに甘えたりなんかしないから。お、俺には彼氏……いるし。さっき言ったでしょ……甘えるのは恋人にしろって……だから……」
「俺はそういうことを言いたかったんじゃない。本当に辛いときだけ助けを求めろと言ったんだ。あれはただの甘え」
「わかんない……何が良いのかなんて今の俺にはわかんない!……もういい、一人で立てるから」
本当に俺は可愛くない。甘えたって甘えなくたって清水さんに叱られてばかり
わけ、わかんないよ……
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