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『清水さんが好き』
やっと自分の気持ちを言えた。でも翔空は……
「うん、そうだね。……約束通り、俺は梓の前からいなくなるね。でも最後に1つだけお願いしてもいい?」
「お願い……?」
お願いとは何だろうか……
「梓を抱かせて。演技でもいい、1度でいいから梓と両想いになった気持ちでシたい」
「両想いは無理だよ……俺もう嘘つきたくない……余計に翔空を傷つけるかも」
「梓が清水って男を話し始めてからもうとっくに傷ついてる」
俺は無意識に翔空を傷つけていたんだ
「ご、ごめん……」
「ううん、俺も脅すような言い方をして付き合わせてるし、謝ることはないよ。……さて、シャワーでも浴びてこようかな」
そう言って翔空は風呂場へ向かっていった
「はぁ……」
言ってしまった。自分の気持ちを。翔空はいつも通りの態度だった。初めから俺の口から清水さんが好きと言うことを知っていたかのように。
もしかしてこうなることがわかっていたから、告白した?付き合わないと目の前からいなくなるとか言った?
翔空の本心なんか本人にしかわからない。だけど少しでもわかりたい。
「ふぅ……お先。梓も行っておいで。待ってるから」
「うん……」
お風呂から上がってきた翔空はいつも通りだった。
待っている間、俺は変な緊張していたのに、何かバカみたい……
「少しくらい悲しいとか思わないのかな……」
たかがセフレ。今まで翔空がどれだけの男とヤッたのかなんて知らないけど、今までの男たちの中で俺的には結構いい人だと思っていたんだよ、翔空のこと。出会い方は今までの男たちと変わらないけど。
発情したときにヤッた男とは1度しか関係を持たなかったのに、いつの間にかいるのが当たり前で……それで……
シャワーを浴びながら翔空のことを考える。考えれば考えるほど翔空は大切な存在だと気づく。
でもそれは恋愛での意味じゃない。友達とか家族とか……そういう愛情の意味で。
俺が今恋してるのはあの人だから……
風呂場からリビングへ向かうと翔空の姿はなかった。寝室にでもいるのか……?
予想通り寝室のベッドに座っていて。俺の姿を見ると優しく微笑んだ。
「おいで、あずさ」
「…」
お風呂から上がったときの普段と変わらない顔はない。まるでまだ俺を恋人だと思っているような表情をして俺を誘う顔。
『1度でいいから梓と両想いになった気持ちでシたい』
ふと翔空が言った言葉を思い出す。
そうだった。俺も翔空のこと、恋人だと思ってやらないと……
たとえ翔空を傷つける形になったとしても……
一歩一歩翔空に近づく。
最後……そう思うとだんだん悲しくなってくる。
でも涼ちゃんが言ってた。
『もしそいつとまた友人として戻りたいと本気で願うなら、きっといつか何日、何か月、何年、何十年後に絶対会えるはず。そしたらもう一度初めからやり直せばいい。時間はかかるかもしれないけど、お前の気持ちに答えてくれるはずだ』
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