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涼ちゃんの言葉を思い出し、覚悟を決め翔空に抱き着く。
「あったかいな……」
「うん……あったかい」
翔空からだんだんと熱が伝わってくる。翔空って体温高いんだ……
そんなことを感じつつ、背中がベッドへつき天井が見えたと思えば、押し倒されたんだとわかって。優しく俺の名前を呼ぶ。
「あずさ……好き……」
「俺も翔空が好き……」
同じ『好き』でも全然違う『好き』という言葉。でも今は仮でも『恋人』だから。
いつもと違う触れ方。大切なものを扱うような……でも色気がある。
唇に触れるだけのキスなのに、何だがもう体が熱くなる。
じれったい……でも気持ちいい。何度も何度も感情がループして。
もっと欲しいのに、俺から行こうとすると離れてしまう。
「あずさ……可愛い」
「…どこが……意地悪しないでちょーだいよ……」
「そんなことしたらもったいないでしょ?今日はゆっくりしよ。最後なんだから」
『最後』……その言葉が胸に突き刺さる。でも決めたのは俺。それに本当の最後じゃないって教えてもらった。
「最後じゃないよ。…あ……こうやってセックスするのは最後かもしれないけど、いったん距離を置くだけだと俺は思ってる。
本当のこと言うとね、俺も最初は翔空と同じで最後って思って、会えなくなるのがイヤだから自分の気持ちに嘘ついて付き合うことにした。だけど幼馴染が教えてくれた。最後じゃないって。だから翔空……」
「うん?」
「最後だなんて言わないで」
もし叶うなら俺はもう一度翔空とただの友達として戻りたい。またこうやって傍にいてほしい。
わがままかもしれないけど……
ポタッ……
気づいたら俺の目から涙がこぼれていた。何度も拭うけど、こぼれだしたら止まらなかった。
「ごめんっ……泣くなんて卑怯だよな……」
「ううん……俺が思ってる以上に梓が俺のこと思ってくれてたんだってわかったから嬉しいよ……泣かないで、あずさ」
何度も翔空に抱かれてきた。いつも少し強引なところがあるけど、優しい抱き方をする。
行為が終わった後もセフレなのにめちゃくちゃ俺の体を気にしてくれる優しい男。
どうして俺はこいつを好きにならなかったんだろう。セフレという形でも誰よりも傍にいてくれた男なのに……何度もそう思ったことはある。
「とあを好きになれたらこんな想いにならなかったかな……こんな状況にもならなかった……?」
「いや、いつか別れてたと思う。あの人と会ったのは偶然じゃない。必然だった。ただそれだけ」
「必然……?」
「うん……俺はそう思ってる」
清水さんと会うことが必然……それはどういうことなんだろう……
俺が翔空の言葉について考えていると、さっきの優しい雰囲気とは違い、いつも俺を抱く雰囲気に変わっていった。
翔空って結構コロコロ変わるんだな……
「梓が最後じゃないって言ったから何か慣れないことやるのはやめた」
「いや……会うのは最後じゃないって言ったけど、セフレは最後だよ……?」
「うん、でもいつものスイッチ入った。だからいつも通り抱く」
「う、うん……」
抱かれることには何も変わらないから俺は良いんだけど……何か思っていた感じと違う……
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