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「今日は空いてるから1日ベッド貸してあげるけど……どうしてそうなったのかはわかってる?」
「はい……」
「その問題は時が経てば解決できる?」
「まぁ……」
できることにはできる。翔空とのことは少し辛いけど時間が経てば、翔空にも俺よりいい人が見つかって、またお互いに話せるときが来ると思うから。
でもそれはいつなんだろう……今すぐに笑いあえるようになるのは無理なのだろうか。
それが出来たら楽なのに。人の感情は複雑すぎて時々イヤになる。
伊織先生と話をしていると日付がいつの間にか変わってしまった。
明日から大学。とあのいない生活。俺の周りにこの体質を知っていて相手してくれる人はいない。
知っていても恋人がいる涼ちゃん。知っていてもなかなか会えない清水さん。
頼れるのはその2人と伊織先生。……あ、もう一人思い出した……
安藤隆。あいつも体質のこと知ってるからいざとなったら……って思ったんだけど。
あいつ確か恋人いるとか聞いた気がするな……
いつもと違うベッドの匂いを嗅ぎながら明日のことを考える。なるべく翔空のこと考えないように……別のことで頭の中を埋めていく。
するとだんだんと瞼が重くなってくる。薬のせいか、ベッドが違う匂いだからか。
眠くなってきた……嬉しい。こんなに寝られることが嬉しいと思う日が来るなんて思わなかった。
だけど……
「起きたらまだ2時間しか経ってないってどういうことだよ……」
眠りについてから約2時間後、少しスッキリして目が覚めたらまさかのたった2時間しか寝られてなかったこの事実。
今までゆっくり寝られた試しがない。ちゃんと寝ていても長くて3時間を3回繰り返すとかあったし、1時間おきに起きて10分したらまた寝ての繰り返しだった。
でも……1度だけ……
清水さんに初めて抱かれたときはぐっすりと寝れたかも……
何であの人の隣だとあんなに優しく温かい気持ちになるんだろう。あの人に触れられると気持ちいいって感じるんだろう。
好きって思うんだろう……
あの時を思い出すたびに心や体が熱くなる。触れたい……触れてほしい……
会いたい……
でも……怖い……
大学に向かうと涼ちゃんと坂口くんは通常運転だった。
「先パイ、今日家に行ってもいいですか?」
「イヤだと言ってもどうせ来るくせに」
「でもたまには先パイの口からお誘いの許可が欲しい時だってあります。ねぇ、今日はいいですか?」
「み、耳元で囁くなぁ!!///」
「先パイ、好き」
「う、うるさいぃ……///」
普段の俺だったら幸せそうな涼ちゃんを見て呆れるだけだけど、寝不足プラス翔空のことで不安定な俺の場合、ただただムカつくだけ。
「ねぇ、そろそろ授業だから坂口くん、どっか行ってくれない?邪魔」
涼ちゃんの前なのに、冷たく低い声で言ってしまい、周りの温度を凍り付かせた。
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