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「……さ……」
寝言で何か言ってる。普段真面目そうな人が寝言とか……すごく可愛く見える。
「あ、ずさ……」
「…えっ……」
い、今あずさって……俺?
「スゥ…スゥ……」
な、何で、俺の名前を……
だんだんと鼓動が速くなってくる。
お、落ち着け……これは寝言。勝手に呼んでるだけ。たいして意味はない……
い、今の状況は大型犬とじゃれあってて、疲れはてて一緒に寝てるだけだから!
意味は、ないんだから……ドキドキしないの、俺!
でも勘違いしちゃう。好きな人に言われたら……
「もっと好きに……なっちゃう……」
「コホンッ」
わざとらしい咳が聞こえたと思ったら、そこには染谷さんがいて。
あ、ヤバ。俺2人きりだと勘違いして……
「え、えっと……」
「何も聞いていません。大丈夫です。市川様が純祐様を好きなどと言う話は聞いていません」
が、ガッツリ聞いてるじゃないですか!?
「このことは……」
「お二人の恋愛に私などが突っ込んだところで邪魔するだけなので何もいたしません。純祐様にご報告もいたしません」
「そ、そうですか……」
良かった……ホッとしてため息をつく。
「では私は仕事に戻りますので、純祐様をお願いします」
そう言い染谷さんは部屋を出ていってしまった。
「あ。」
助けてもらうの忘れてた。気づいた頃にはもう染谷さんはいなくて。
「失敗した……」
と思うけど、本音はちょっと嬉しい。
いつまでこの状態でいればいいだろう。気づけばもう30分も経っていて。
さすがに明日も大学あるんだからこのまま居続けるのもいけないなぁ……
「染谷さーん!」
帰ろうと思い染谷さんを呼ぶけど忙しいのか全然来ない。
お、重い……重みが良いとか少しは思ったかもしれないけど、時間が経てばたつほどずっしりと清水さんの体重がのしかかる。
強引にどかせばいけるんだろうけど、疲れ果てた清水さんにそんなことするわけにはいかない。どうしよう。困った。
どうやったらこの状況から解放されるか考える。
だけど。
眠い……急に眠気が襲い瞼が重くなる。
何であんなに目が冴えて眠れなかったのに今になって瞼が重くなるんだ……
でも……
「幸せ……」
好きな人の、清水さんの近くで寝られる幸せ。こんなことめったにない。
そんなことを考えていたらいつの間にか眠りに落ち、一緒に寝てしまっていた。
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