アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
-2-
-
「そんなわけないでしょ!俺が計算して、朝から頭回転させて行動してるように見えるの!?」
「見えない」
見えないなら早く言ってくれればいいのにぃ!……ってただの八つ当たりだってわかってるけど!
「だぁーもぉー!ここからどれくらいかかるかわからないのにぃ!」
「ここから市川様の大学まで歩いて約30分かかります」
「30分!?バスでは!?」
「15分ですが、調べたところ今からバス停まで行くと乗り遅れます。間に合いません」
慌てている俺とは違い、冷静に質問に答えてくれる染谷さん。
調べてくれてるのはありがたいけど、この状況をどうにかしてほしんだけど!
「もう絶対間に合わない!1限遅刻してもいいから歩いていく!」
俺の服は洗ってくれていても昨日のままだし、家に一回帰って着替えたいし……
乗り物に乗るのを諦めて自分の脚で行くことに決め、急いで清水さんの家から出ようとすると。
「待て、あずさ」
急に清水さんの声が聞こえて振り向いた。
「何ですか、急いでるんですけど!」
「車、出そうか?」
え、何……いまさら。
「結構です。清水さん疲れてるでしょ?久しぶりの休暇を潰させたくないし」
「可愛くない」
ズキッ……
清水さんの言葉に少しだけ胸が痛む。
可愛くないのは知ってるよ……どうせ清水さんは俺と真逆のタイプが可愛いと思うんでしょ……
発情したら誰とでも寝る人じゃなくて、一途で可愛く甘えてくれる人が良いんでしょ。
「可愛くなくて結構です!」
歩みを止めていた足を動かし、再び歩き始める。
もうイヤだ。せっかく車出してくれるって言ってくれたのに、強がったこと言っちゃって。
こんな俺なんか……
突然だった。フェロモンを感じたのは。
そして急に力が抜け、カクンと膝から崩れ落ち、その場から動けなくなった。
「あ、あれ……」
「あずさ……?」
「ちからが……入んない……」
体がだんだん熱くなってくる。どうして急に……最近大丈夫だったのに……
熱い。体が熱い。そして体が勝手に疼く。
欲しい……体が何かを欲してる。
さっきまで感じなかった清水さんのフェロモンが一気に全身で感じてくる。
や、ヤバい……こんな近くに清水さんがいるのは非常にマズい。
「薬は?伊織からもらっていたんじゃないのか?」
「さいきん……なかったから……ハァハァ……ん…家に置いてきた……ぁ」
「……捕まれ、このまま外にいるのは危険だ。大学も中止、治まるまで俺の家にいろ」
「で、も……」
「いいから。染谷!お前の持ってる薬を持ってこい。あと伊織に連絡しろ」
「かしこまりました」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
55 / 764