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一番最初に清水さんに抱かれたとき、今までにないくらい優しく抱いてくれたのを覚えてる。
だけど今回のこれは優しさっていうより、意地悪に近い優しさ。
入れてほしい。なのにじらすばかり。
「な、んで……じらすのイヤ……んん……」
「なら、欲しいのは何だ?」
欲しいのは決まってる。
「清水さんのが……欲しい……」
絶対後で冷静になって後悔すると思う。だけど後悔したとしても欲しいんだ。清水さんの全てが。
淫乱って思われても仕方がないってくらい清水さんを受け入れる体勢に入る。
あまり慣らしてはない。だけど痛くてもいいからこの人が欲しいってくらい疼いてる。
清水さんも覚悟したのだろうか。
ゴクンと息をのむ音が聞こえた後、ゆっくりと俺の中に入ろうとする。
だけど……
『あずさ……』
なぜか俺の頭をよぎったのは目の前の清水さんの声ではなく、翔空の声だった。
その瞬間、清水さんは何かを悟ったのか、自分のものを入れず指を入れてきた。
「今日はこれで我慢しろ」
そう言う清水さんの声は悲しそうだった。
俺、サイテー……
自分でも何で翔空が出てきたのかわからない。
でも頭に浮かんで来たってことは、俺にとって翔空は恋人としては違ったけど大切な存在だってことには違いなかったんだ。
1度だけ清水さんの手でイかされた後は、染谷さんの薬や伊織先生の処置で治まりはしたけど、何となく清水さんとは気まずい空気になってしまった。
『好き』と言ったけど、たぶん発情状態だったから信じてなさそうだし、写真の人物も誰なのか聞きづらくなってしまって。
でもなぜか俺は清水さんの家にしばらくいなきゃいけなくて。
大学に行けなくなったこと涼ちゃんに言ってなかったから連絡しようとしたんだけど、『ごめん、体調不良で休む』ときていたから、とりあえず生存確認の連絡したら。
「何で涼ちゃんの携帯なのに、坂口くんが出るの」
『先パイ寝てるんで。それに『梓から連絡来たら適当に返しておいて』って先パイから頼まれたんで』
「あっそ、じゃあしばらく休むって言っておいてくれない?」
『覚えていたら言っておきますね』
「覚えていたらって……切られたし」
坂口くんって涼ちゃんのこと以外、どうでもいいって感じだよなぁ。いつも途中で切られるし。
「はぁ……」
ベッドに寝転びため息をつく。人を本気で好きになるってこんなに疲れるんだな……って改めて思う。
好きになれば好きになるほど体力を使って。でもその分幸せで。時にはイヤになることもあるけど。
「好きなんだもん……」
好きな気持ちはそう簡単には消えてはくれない。
「そういうことは俺に向かって言えよ」
「えっ……」
ガチャッと音が聞こえ入ってきたのは清水さんだった。
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