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〈梓side〉
「ふぅ……」
涼ちゃんたちが帰った後、ソファーに座りため息をつく。
何だかすごく疲れた。でも涼ちゃん、純佑さんとのこと認めてくれた。
嬉しい。本当に嬉しい。
あの後、まだ仕事が残っているからと部屋に籠った純佑さん。
今日は集中したいから一人がいいって言われ、俺は仕方なく空邪さんが作ってくれたご飯を一人寂しく食べようとするけど。
その間、空邪さんはただ立っているだけ。
それなら……
「空邪さん、一緒に食べよ!俺、1人で食べるの寂しい」
「ありがとうございます。ですが、まだ純佑様がお仕事中なので……」
「気にしなくていいよ。純佑さんの分はちゃんとあるんでしょ?俺が許す!」
「…では……お先にいただきます」
物音をほとんど出さず食べる空邪さん。何か、ある意味すごい……
「空邪さんって、いつも一人で食べてるの?」
「そうですね。純佑様の前ではあまりご飯を食べないようにしています」
「じゃあこれからは3人で食べない?」
「え?」
1人で食べるのは寂しい。1人で食べるのが好きなら別かもしれないけど、俺は話さなくてもいいから誰かの傍で一緒に食べたい。
「ですが……私は純佑様にお仕えしている身。梓様でも……」
「あずさ」
急に純佑さんの声が聞こえて振り向くと本人がいて。
気づいた瞬間、空邪さんは箸をおいて立ち上がった。
「申し訳ございません、純佑様にこのような……」
ん?何でそんなことで謝る?
「染谷」
「はい……」
「この何年思っていたが、何でいつもコソコソ食べる?俺は染谷に俺の前で食事するなと言ったか?」
「い、いいえ……ですが、申し訳ないと思いまして……」
「申し訳ないとは?」
んん?い、一体これは……急にどうした?
「あ、あの……いい?え、と……何で空邪さんはコソコソ食べてるの?」
普段から空邪さんが食事をしている姿は見かけない。なのに倒れることはなくて。
いつも一人で食べてるっていうからいつ食べてるんだろうという疑問が。
それに世話人だからといってコソコソ食べなくても……と俺は思うのだが。
「私が初めて純佑様の世話人になったとき、純佑様は少し体が重いと言いますか、ぽっちゃりしていました。なので『体を鍛えたい』と思ったのか、私に食事管理をお願いしてきました。
そのときは一緒に食べていました。メニューは私と一緒。ですが量が違い、純佑様の方が圧倒的に少ない。最初まではそれでよかった。
しかし我慢しすぎたのでしょう。日に日に不機嫌になる純佑様。そして痺れを切らした純佑様は私の料理の量に文句を言い始めました。
『俺の前で食事するな』と。それ以来、私は純佑様の前で食事することをやめました。なのでコソコソと……」
「そ、それに対して純佑さんは……そう言ったこと覚えて?」
「覚えていない。体を鍛えていたことは覚えているが……そんなこと言ったか?」
「言いました」
ひ、酷い……せっかく空邪さんは我慢して食べていたのに!
「……純佑さん、これからは空邪さんも一緒にご飯食べるからね?純佑さん、謝って?」
「覚えてないものに何で謝らなきゃ…」
「謝って?」
「……はい、すまなかった。染谷」
「いえ、とんでもない……」
それ以来、空邪さんは純佑さんの前で食べるようになった様子。
一番意外だったのが。
「え、いつもそんなに……?」
「はい」
静かに食べる空邪さんの食べる量は俺の2倍。細い体なのに、そんなに食べるの!?
[end]
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次から純佑sideを書いていきます。
梓との出会いから恋人になるまでなので、
あまりエロいシーンや、イチャイチャシーンは
出てきませんので、ご了承ください。
よろしくお願いいたします。
きゃこ
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