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2、市川梓 -1-
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話を聞き、探偵に依頼し先生の息子を探すことにした。
仕事の早い探偵だったのか、親が普段利用するところだったのか、すぐに連絡があった。
先生の息子、市川梓は先生が以前暮らしていたアパートに住んでおり、現在は大学生。
アルバイトは特にしてないが、たまに日雇いのバイトをしているらしい。
探偵が市川梓に尾行している際、何度も男と頻繁に会っていた。
恋人なのかと思ったが、次の日には別の男といたりとたくさんの男と関係を持っていたらしい。
でもその男たちはみんなホテルに入って出てくると必ず呟いていた。
『何であんなやつと寝たんだ……』と。
だから市川梓と寝たと思われる男たちに直接詳しい話を聞いてみた。
すると男たちはみんなそろって。
「『匂いに誘われた』?」
「はい。私は少し感じる程度だったんですが、彼には男だけが感じる、男だけが誘われるような香りがするようで」
「香水とかではないのか?」
「わかりません。男たちが言うにはその匂いを嗅ぐと急に性欲衝動にかられ、自分の意思とは関係なく市川梓を襲ったそうです。そのときの記憶はほとんどないと言っていました」
匂いで男を誘う……
後ろで立っている染谷を見る。それに気づいてか、話を聞いてか染谷も俺を見る。
やはりそうなのか……市川梓もこいつと一緒。男を誘うフェロモンを持つ、ということか。
探偵の話を終えて向かった先はある診療所。染谷がいつも利用している場所。
「あら、純ちゃーん!久しぶりー!元気!?」
診察時間ギリギリの時間は誰もいないと思い、入ると思った通りで。
俺を見た瞬間に抱き着きそうな勢いで俺に接近してくる伊織。
相変わらず少しだけオカ…オネ……女子口調やノリがあるが気にしない。
「元気じゃなきゃここには来ない。出向かない。…というか、まだ潰れてなかったんだな」
「純ちゃん酷い……んで、今日は?空ちゃんの診察?」
「今日は違う。『市川梓』について聞きに来た」
「梓くん?」
調査報告書の内容をもう一度見ようと思い、移動中に見つけた診療所の名前。
聞き覚えがある名前で染谷に聞いたら、自分が利用しているところだというので行って、よく見たら伊織のところだった。
「お前のこの診療所によく来ていると書いてあった。何か知らないか?」
「梓くんのこと調べてるんだね。でもいくら純ちゃんでも家族でない以上、聞く権利がない。それは知ってるよね?」
「知っている。でも聞きたがっているのは俺じゃない。家族である市川先生だ」
俺にとってこいつは先生の子供だったとしてもただの他人。こいつが何をしてようが俺の知ったことじゃない。
「え、純ちゃん。先生に会ったの?」
「あぁ。お前、千明と先生が同じ病院に入院していたこと知っていたのか?」
「あー……どっかで聞いたなぁと思ってたんだけど、やっぱり?」
「知ってたんだな」
「市川って人が入院してるって話は親から聞いた。最初親から『市川』って人伊織の知り合いじゃない?って聞かれたけど思い出せなくて、アハハ」
「アハハじゃない」
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