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俺の声を聞いてなのかはわからない。でもまたフェロモンが増幅したのがわかる。
「あずさ……」
「…っ……」
梓の顔を見るともう欲情しきった目をしていた。
でもちゃんと瞳には俺の顔が映っている。俺を見てくれている。そう思ったら抑えが効かなくなって、気づいたら梓を抱きしめていた。
梓の匂い、感触、吐息。一つ一つだけでも、俺には毒なのに全部感じたらもうムリ。
玄関先まできてしまったから、母親たちに見つかるかもしれない。
そのまま梓を抱きかかえ、部屋に戻る。その間梓は暴れもせず、文句も言わず、俺にしがみついたままだった。
このときもう我慢しなくてもいいんだって思ってしまうくらい、俺は興奮していた。
部屋に入って梓を降ろすと、梓の方からキスをしてきた。梓からのキス。二度も梓からしてくれた。
一度目は自覚してなかったけど、今回は欲情していても、ちゃんと意思はあるようだ。
嬉しい。でも物足りない。
最初は主導権を渡していたが、今は俺が主導権を握っている。
俺は攻められるより、攻めたい。愛されるのは嬉しいが、それ以上に愛したい。俺の手で乱れる梓の顔が好き。
「……ンッ……ふっ……」
時々漏れる声。たまらない……もっと聞きたい。
もっと俺で乱れてよ。誰にも見せない顔、見せてよ。溢れ出したら止まらない。
可愛い……梓が可愛い……
苦しそうなのに一生懸命俺に応えてくれてる。
好きだ……梓が好きだ……
キスでこの気持ちが伝わったらいいのに……
「ハァハァ……しみず…さん……」
唇をいったん離し、梓の顔を見るとまた悲しそうな顔で目に涙が溜まっていた。
その零れそうな涙は誰に対する涙だろうか。俺への気持ち……?
それとも恋人への罪悪感……?
そんな梓の顔は見たくない。今は何も考えず俺だけ求めてほしい。
「これは夢だ……お前は……何も悪くない……だから今は俺だけ求めろ……」
「でも……」
「お前は俺に強引にキスされた……それだけ……」
「んンッ……」
梓が俺とのキスで後悔してもいい。今だけはお願いだから、キスに酔いしれてほしい。
多くのことは望まないから……今はただ梓が欲しい。
梓から唇を離し、顔を見ると酸素を求めて口をパクパクしていた。
それくらい俺は夢中だった。梓が少しでも受け入れてくれてるってわかったから。
お互いベッドで向き合って寝転がる。照れながらも俺を見てくれる梓。
あぁ……幸せだ。悪いことをしてることぐらい、わかってる。でも今だけは夢を見させてほしい。
梓が口を開く。
「何で……キスを受け入れたの?俺のこと嫌いじゃないの?」
「誰が嫌いなんて言った?」
冷たい態度をとったが嫌いなんて一言も言ってない。
「だって甘えると『そういうのは恋人にしろ』って断っていたじゃん……」
「それは……そうだと思ったから。てかお前、恋人のこと好きで付き合ったんじゃないのか?」
遠まわしに咲坂翔空とのことを聞いてみる。
本当に佐々木花恋が言っていたことが本当なのか確かめるために。
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