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「そんなわけないでしょ!俺が計算して、朝から頭回転させて行動してるように見えるの!?」
「見えない」
計算していたらそんなに慌てていないだろうな。そうだった、梓はこういうやつだった。
「だぁーもぉー!ここからどれくらいかかるかわからないのにぃ!」
スマホを持っているのなら、調べることは可能だろ。……と言っても、今の梓には意味ない気がする。
梓がドタバタしている間に、染谷が親切に教えてやる。でも交通機関などでは間に合わないことがわかった瞬間、遅刻してでも歩いていくと言い出した。
素直に俺に『車で送って』って言えば、送ってやるのに。前みたいに。
でもそんなことは言ってこなかった。俺に頼りたくないのか、定かではないが。
こっちが送ろうかと言ったら、素直に言ってくれるだろうか。
『送って』って。
こういう時こそ頼ってほしい。でもそこまでの関係じゃない。だから肝心な時にこいつは言わない。
だったら……俺が言えば聞いてくれる?
「待て、あずさ」
「何ですか、急いでるんですけど!」
「車、出そうか?」
そう言うと『今さら何』と言う顔をして。
「結構です。清水さん疲れてるでしょ?久しぶりの休暇を潰させたくないし」
俺の誘いを断った。
発情中とか、夢の中とかの梓は可愛かったのに、今の梓は……
「可愛くない」
ハッ……!気づいたときには手遅れで。梓は傷ついた顔をしていた。
「可愛くなくて結構です!」
怒りながら歩く梓。
お前を傷つけようとして言ったんじゃない……ただ、甘えてほしくて……
慌てて梓の後を追いかける。
すると突然。
フワッ……梓のフェロモンが少しだけ増幅した気がした。そして、梓が膝から崩れ落ちる。
あずさ……?
駆け寄ると力が入らないと言っている。突然の発情状態。前触れもなく始まった。
俺の周りに漂うフェロモン。薬はここ最近発情してなかったから置いてきたという。
このまま放置するのはマズい。大学でこんなことになるのもマズい。
梓を運び伊織に連絡するのと同時に染谷から薬をもらう。
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