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孤独な1週間(9) *
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風呂上がり
鏡の前
家に着いてすぐに抑制剤を飲み、少し横になった後でシャワーを浴びた
ふと、指先に目をやる
虎岩に触れた中指
離れ難い
そう思った
あの時
指先が触れた瞬間
陸「……………………きしょ…」
すぐに冷静さを取り戻し頭を抱える
洗濯を済ませて今日は早く寝よう
浅く息を吐き、洗濯カゴから脱いだばかりの服を取り出した
途端、ふわりと漂う匂いに動きが止まる
俺が着ていたハイネックのロングTシャツ
虎岩に触れていた部分、ほのかに奴の匂いが染み付いている
陸「…」
スンと息を吸い込む
心地いい
肺を満たし、胸をいっぱいにする
α独特の匂いか、それとも虎岩恭二郎の匂いか
いつの間にか俺はその匂いに夢中になって、止められなくなっていた
陸「はぁ…ン……はぁ」
スウっと深く吸い込んで、ゆっくりと吐き出す
頭がぼうっと熱くなる感覚
取り憑かれたようにTシャツを鼻に押し当てて深呼吸を繰り返した
陸「……虎岩…」
壁に寄りかかり、ズルズルと床へ座り込む
頭の片隅にある背徳感を欲望が押し潰す
俺はおもむろに下着の中へ手を伸ばしていた
陸「ン、ぁ…」
擦り始めたら止まらなかった
じわりと滲み出る先走りが指に絡まる
閉じた瞼の裏に、虎岩の姿を見た
心配そうにこちらを伺う瞳
おぶられた時の、うなじの匂い
触れた指先の感触
先輩、と呼ぶあの低い声
陸「ぁ……ッう………ン、はぁッ、ッッ」
亀頭を指先で強く擦ると、ドクドクと精液が溢れ出した
射精後の開放感に包まれる中、頭の隅で小さくなっていた背徳感が急に大きく膨れ上がる
人生で初めて、男で抜いた
男としての何かを失った気がした
虎岩恭二郎、二度も俺を助けた男をオカズに抜いた事実を、俺はこの先どうやって胸に仕舞えばいい?
陸「最底だ…………」
絶望感に天を仰ぐ
俺はしばらく動く気も起きず、そのままぼうっと天上を見ていた
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